何十年か前、韓国の南部で前方後円型の古墳が見つかった、というニュースを耳にした覚えがある。日本の前方後円型古墳の手本になった先輩古墳だと思った。自分だけでなく、日本人みんながそう思ったはずだ。日本の文明文化の多くは大陸から朝鮮半島を経て日…
eight8eight_888 さんのブログに触発されて小林秀雄訳で読みました。フランスの詩集といえば青春時代に上田敏訳の「ヴェルレーヌ詩集」くらいしか読んだことがない。今回「地獄の季節」を読んだらこれはとんでもない辛口でアブサンを直に呑んだような・・知…
◆ファスト映画の罪と罰 映画を10分くらいに短く編集して投稿サイトに有料かつ無断で公開した若者が起訴され、厳しい判決が出た。男女二人の被告が稼いだ金額は約700万円なのに対して判決で示された罰金は5億円である。二十代にして人生終了であります。…
この本に出会わなければ「太平記」なんて難儀な古典に接すること100%なかったでせう。文庫本240ページに膨大な情報を凝縮かつ分かりやすく表現している。 それにしてもややこしい話である。何十人もの天皇、公家、武家、僧侶などが出入りし、登場人物…
今年7月にオープンした当図書館は設計の斬新さで評判になり、図書館らしくない?賑わいぶりらしい。当初は一日5千人もの入場者があったとか。下のHPの画像を見ても本で埋まった円形劇場みたいなインテリアでうろうろ回遊するだけでも楽しそう。先日紹介…
~その2~ 147~149ページに興味深い対談文がある。日高・・・要するに、国会議員のほとんど全員が憲法改正に賛成、軍事力の放棄にも反対はしなかった。 ビクター・ウイリアムズ・・・その通りです。憲法の改正は国会議員の間では極めて好評で、ほと…
長文になったので2回に分けてアップします。 dameo は憲法改正賛成論者でありますが、賛否いずれであっても最低数冊の書物を読まないと現憲法の発想~成立のプロセスは理解できないと思っている。一冊読んで「憲法、ぜんぶ理解できました」はあり得ない。ネ…
元統一教会が安倍首相暗殺事件に関わったことで目下は非難囂々の有様で、世間では新興宗教団体への眼が厳しくなっている。では、実際にはどれくらいの新興宗教が存在、活動しているのだろうか・・という関心に応えてくれる本であります。対象は、仏教や神道…
小説のなかであっても自分の知っている風景や事物が登場すると気になるものです。この本で登場するのは<天保山>です。 本書は前に紹介した<子供 本の森 中之島>図書館の後ろを流れる堂島川沿いの小さなバーに集う客とマスターの交流物語。著者は当地に本…
今週のお題「地元自慢」 6月に新聞記事を紹介したけれど、散歩に快適な季節になったので再度のご案内。大阪ミナミから日本一高いハルカスビルをめざして5200m、日本一長い商店街を歩かせるので<ハルカスまでアルカス>。地下鉄駅なら5区間ぶんの距離。後…
2020年にオープンした図書館で、建築家・安藤忠雄氏が設計し、大阪市に寄贈した子どものための文化施設。小さい図書館なので、利用は予約が中心で一日数百人の規模で受け入れています。大人だけの訪問は滞在時間が90分に限られているのが気ぜわしい。平日…
後期高齢者夫婦と三人の娘が主役の介護ドラマ。ソレ、只今、自分が当事者デアリマス、という方たくさんおられると思います。ほろ苦い、悲しい思い出があるかたもいっぱいいるはず。介護のリアルな描写から、もしや著者、中島京子センセも介護の当事者か経験…
秋晴れの一日、奈良県香芝市にある住民が運営する広場での恒例の昼メシ会。材料を持ち寄って、むろん、ビール、ワイン、日本酒も揃えて歓談のひとときを過ごしました。なかにはむかご飯をはじめて食べた人もいて大感激。薪で炊くからいっそう美味しい。レス…
雑誌<Domani>に連載したエッセイ集(2006~2008年) ◆本物のご褒美 小川洋子いちばんの人気作品「博士の愛した数式」は2006年に映画化された。自作の映画化ははじめての経験だったので公開初日に三宮の映画館まで観客の一人として出かけた。梅田から阪…
巻頭に黒地白抜き文字でこう書いてある 今、日本には2種類の人間がいる同窓会に行ける人と行けない人だ ご大層なコピーに「それがどないしてん、たかが同窓会の話やろ」とイチャモンつけたくなります。以下、236ページに亘って同窓会に行く、行かないが…
今週のお題「最近おもしろかった本」 加瀬英明「ジョン・レノンはなぜ神道に惹かれたのか」 下に紹介する「四天王寺 古本市」で買った9冊のなかの一冊。著者は外交評論家。中曽根内閣などでは首相の特別顧問として対米交渉の現場で働いた。一方、びっくりし…
二件の事件で二人を殺害し、服役中の受刑者が書いた死刑肯定論。自信をもって「凶悪犯はビシバシ死刑にせよ」と説いています。思わず「お前が言うな」とツッコミたくなります。 本書を読んでアタマが混乱しそうになるのは、二人も殺した凶悪犯が書いた本にし…
著者の母親の生涯を小説仕立てで書く・・作家ってなんと因果な職業でありませう。ドキュメントではなく小説ですよ。ようするにたくさん売るために話を盛ったり、削ったり、誇張したりと加工する必要があります。それなのに事実を歪めることはできない。なん…
なんとも脱力するタイトルであります。表紙の「力」の文字が心なしか細身でヘナヘナ感がする・・のは勘ぐりすぎでせうか。で、ページを開けると最初に「人と会うのはそもそも面倒で、困難なことである」という見出しが・・。 そもそも、著者は人に会って取材…
かれこれ10年以上愛読しているのが「朱雀の洛中日記」。長崎生まれのおばさんが老後は京都で暮らしたいという夢を実現させた。これを機にはじめたブログが自分の趣味や感性と合い、学ぶところも多くてネット上の「座右の書」になっています。 旅好き、アー…
昭和36年生まれの著者は神戸で居酒屋を経営していたが、阪神大震災で店が焼失し、これを機にバー経営に転向した。なぜバーに?の理由が語られていないけど、居酒屋とは似て非なる業態だから、苦労も多かっただろうと察します。こういう転向は、はじめからオ…
友人のOさんが「こんなもん、作ったんやけど」と見せてくれたのが写真のミニサイズの石仏。なんの細工も施さない「純粋石ころ」なのに組み合わせの妙で石仏に見える。「お、これ、おもろいやん」と直感したので「ぎょうさん作って作品展したら?」と半分冗…
日常の生活態度においては自分は唯物論ふう思考の人間だと勝手に思っているけれど、岡センセの根本思想を為す、人間は「情」で生きるべし論を読むとなぜか「そやそや」と共感してしまうのであります。論理的思考のカタマリみたいな数学になんで情が絡むのか…
原発の工事現場で働く末端労働者のレポート。雇用のありかた、労働環境、放射能リスクを避けるための規則など、私的経験を綴っている。放浪記という題名から察せられるように、原発現場の工事作業員は定住することは無く、発電所の新増設、定期点検工事の現…
~生と死と哲学を巡って~ というサブタイトルが付いている。雑木林や河川敷に粗末な小屋をつくり、引きこもって暮らす青年の独白を綴ったよみものであります。小屋暮らしの理由は無職無収入で追い詰められて・・と想像しがちだけど、ちがひます。♪~貧しさ…
京大法学部を卒業、日本生命に34年勤め、幹部に昇進して退職・・という経歴から想像するエリートサラリーマン像を見事に転覆させるのがこの人の魅力です。副題に~歴史・人・旅に学ぶ生き方~と記すように会社のトップに上り詰めて達成感を味わうようなタ…
大小を問わず書店経営のしんどさは全国共通 になっているなかで北海道砂川市の岩田書店のユニークな「一万円選書」は販売方法として定着した・・という「地味なニュース」が新聞でハデな記事になっているのでご紹介。 9月5日の産経新聞朝刊の一面と最終面(…
同著者の「西行と清盛」を読んだことがあり、とても面白かったので本書も期待して読んだところ、アタリでした。芭蕉の作品論や伝記は山ほどあるけど、あくびなしで読める本はない。著者はそこを意識してか、「退屈しない芭蕉論」を目指した。まず、題名から…
知人のIさんが「あんた、こんな本、好きやろ」と持参してくれたので佐伯泰英の本は読んだことないけど、断れずに預かりました。Iさんはモーレツな佐伯泰英ファンで、今までに購入、読破した作品が170冊というから、もう著書はほとんど読んでるといって…
ジャンルを問わず、印刷物ならなんでも読む乱読趣味人でありますが、保険に関する本はこれがはじめてです。そして、書名のように、保険会社の社員は保険に加入しないのは常識と知ってビックリしました。銀行と並んで「信用」を重んじる保険会社が社員に信用…