2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

小泉今日子「小泉今日子 書評集」を読む

いかに芸能界オンチの dameo でも小泉今日子の名前くらいは知っている。ミーハー族のアイドル。そんなタレントが書評集なる単行本を出すなんて何を偉そうぶってるのか・・。で、「はじめに」を読むと、今日子サンは読売新聞書評欄で執筆する書評委員でした。…

北と南  ミュージアム巡りの旅 (8)

盛岡散歩・・岩手県立美術館ほか 2013年6月2日(日)ミュージアム巡り、キタ編は今日でおしまいです。幸い晴天、朝は冷え込み、8時頃に青森駅へ行ったら、電車のドア開閉が冬モードになっていて戸惑いました。(ドアボタンで開けて乗ります)毎朝、ワ…

青山ゆみこ「人生最後のご馳走」を読む

今週のお題「読書の秋」*********** 病院食を食べた経験ある人が「美味しい」と評価することは稀だと思います。栄養第一の献立を限られた予算でつくるのだから「ご馳走」であるはずがない。そんな常識を覆して大阪の淀川キリスト教病院ホスピスで…

幸田 文「木」を読む

文章の上手さに魅せられて、読み出したら止まらない。「杉の木は縦縞の着物をきている」なんちゃって、万年着物姿の著者が書けば,読者はたちまち幸田ファンになってしまうのであります。ま、文章の上手さは親の血筋といってしまえばそれまでなのですが。(…

有島武郎「生まれ出づる悩み」ほかを読む

恥ずかしながら、有島武郎の作品を読んだことがないので、まず首記の作品を読む。先に読んだ泉鏡花よりずっと後の世代で、性格も作品世界もまったく異なり、有島センセはまじめの上にクソを乗せたようなタイプ。常に自分は一流の芸術家たり得るのか、と悩ん…

坂野昭彦「一文無しが贋札造って捕まって」を読む

2005年3月、埼玉県で偽一万円札が流布した。のべ50枚見つかった半年後に容疑者が捕まった。その本人、坂野昭彦が書いたドキュメンタリーであります。犯罪歴などない、ごく普通の市民が事業の失敗から経済的に破綻し、追い詰められていく。離婚して妻子と絶縁…

<30年以上使ってるホーム用品10選>

はてなブログ10周年特別お題「好きな◯◯10選」 若い人には書けない「長寿アイテム10選」を紹介します。下の写真は食器から電化製品まで毎日使ってるグッズのうち30年以上愛用の長寿品です。 ■台所道具の長寿命ベストワンは包丁です。20代のときに買った…

樹木希林「一切なりゆき」を読む

一切なりゆき、というタイトルから察すると著者は恬淡とした性格の人物のように想像してしまうけど、なかなか、どろどろした執念、執心もたっぷりありそうな、複雑な人格の持ち主であります。内田裕哉とのヘンテコな夫婦生活を察しても「一切なりゆき」なん…

岡本純子「世界一孤独な 日本のオジサン」を読む

2018年にイギリスのメイ首相が政府に「孤独省」をつくると発表して驚いたが、こんなの世界ではじめてではないか。孤独に悩む高齢者など百万人単位の人たちを救済するために公的機関をつくるという。う~ん、日本では考えられないけどなあ、と他人事視してい…

読書の秋の愉しみ「古本市めぐり」

春秋の定番行事「古本市」 金はないけどヒマは十分あり、という常連がいそいそと出かけます。今回は四天王寺と大阪天満宮と阪神百貨店の会場を見てまわりました。会場でとりあえず目指すのは「百円均一台」。ていねいに探せばいい本に出会えます。百円ではな…

小田嶋 隆「上を向いてアルコール」を読む

~「元アル中」コラムニストの告白~ プロの物書きは何がトクかといえば、本書のように自分の人生途上での大失敗、大ミジメ経験でさえ錢もうけ(出版)のネタにできることでありませう。(無名素人が同じことやっても恥をさらすだけです)有名コラムニスト、…

「相撲」江戸時代は女人禁制ではなかった

著者、三田村鳶魚(みたむらえんぎょ)は江戸風俗研究の大家で膨大な文献を残したが、そのコンパクト版が稲垣史生編集の「江戸生活事典」。コンパクトといっても500頁に細かい文字がぎっしり詰まっているので読むのは大変であります。自らは明治生まれな…

百田尚樹「モンスター」を読む

この作品、映画化されたそうだが知らなかった。不美人がトコトン整形手術を施して抜群の美人に生まれ変わる。そして、不美人時代に軽蔑、嘲笑した男や世間へ復讐を始める。しかし、一人だけ憎めきれない、恋心を抱いた幼友達の男がいて・・。 著者、百田セン…

キタとミナミ  ミュージアム巡りの旅 (7)

青森二日目雪の八甲田山・・ワ・ラッセ(ねぶた展示館)・・怪しいバー「F」 八甲田山は冬景色 6月1日 今日は、午前中八甲田山へ、午後は青森駅前の「ワ・ラッセ」を訪ねます。早起きして、駅前からJRバス十和田行きに乗ります。路線バスだけど観光バス…

島田荘司「写楽・閉じた国の幻」を読む

万年閑人、駄目男のために、Tさんからプレゼントされた本。美術ファンなら誰しもご存じの「謎の絵師・写楽」問題をミステリー作家が独自の発想で追求、斬新というか、トンデモ案というか、とても面白い小説に仕立てた作品です。小説とはいえ、写楽に関する過…

佐伯啓思「反・幸福論」を読む

幸福論というのは、中身がピュアであるほど哲学的迷宮に入り込んでしまい、凡人には「で、何の話やねん」な読後感になってしまう。本書も西行やトルストイやカントなんかを引き合いに出す章は、正直いって、駄目男の理解力と表現力では感想文を書くのが難儀 …

嵐山光三郎「西行と清盛」を読む

西行の人生を知りたいと思い探してみたが、堅苦しい内容の本が多くて読む気にならなかった。作家にも読者にも「漂泊の歌人」という先入観があって、歌論を軸にしたクソまじめな読み物になってしまうらしい。本書はカタブツ敬遠のオジン、dameo にぴったりで…

まもなく昭和100年・・古雑誌で懐かしむ昭和時代(展)

雑誌<銀花>を知ってる「はてな読者」は0人? 2025年、昭和は100年を迎えます。「降る雪や 明治は遠く なりにけり」と中村草田男の名句で懐旧の念をかみしめたのはついこのあいだだと思っていたのに・・・。 昨年の春、Nさんから電話あり「終活で…

 樋口一葉「にごりえ」を読む  ~新旧版読み比べ~

今回は「にごりえ」を二回(二冊)読みました。昔に読んだ「新字体・旧かなづかい」版と、詩人、伊藤比呂美による現代語訳です。両方読んで、どちらが感銘深いかといえば、断然「新字体・旧かなづかい」版です。当たり前のことですが、現代語訳では明治の香…

杉江 弘 「乗ってはいけない航空会社」を読む

同じ著者による「機長が語るヒューマンエラーの真実」も併読。2冊とも航空機事故に関わる評論で、著者はジャンボジェット機(B-747)の元機長。 幸いなことにここ10年くらい、国内では大きな航空機事故がなく、私たちは電車やバスにのるのと同じくら…

2013年 北と南 ミュージアム巡りの旅 (6)

青森でも2泊・・・・・・青森県立美術館・・三内丸山遺跡見学・・りんご茶屋の津軽民謡ライブ 5月31日 札幌から特急2本(北斗・白鳥)を乗り継いで青森へ。5時間近くもかかります。新幹線の青森~大阪が約6時間だから、いかに遅いか。津軽側では新幹…

遠藤周作「海と毒薬」を読む   

遠藤作品で一冊くらいはシリアスなものを読んでおこうという殊勝な心がけ?で手にした本がこれです。途中でやめようかなと思ったくらい陰々滅々の内容ですが、読み終わって世間を顧みれば、この本以上の残酷物語が現実に起きている。 戦争末期の1945年、…

たまらん巨大樹木に会いにゆく

ウオーキングを兼ねて何十年ぶりかで門真市の「薫蓋樟」(くんがいしょう)を訪ねました。何度見ても圧倒されるド迫力はもう樹木というより巨大オブジェと呼ぶのがふさわしい。幹周り13m、樹高30m、樹齢1000年以上。(大阪府下では最大の樹木で国指定…

川口マーン恵美   「そしてドイツは理想を見失った」を読む

著者は本来ピアニストとしてドイツ暮らしをしていたのに、なぜか政治に興味をもち、というか、ドイツ人の思想や民族性への関心が高く、それも共感ではなく,批判的な見地で語るのが得意のようであります。本書も基本はメルケル政権に対する疑問や批判でスジ…

高樹裕「今のピアノでショパンは弾けない」を読む

素人にとってもピアノに纏わる話は面白い。当ブログ、8月10日に紹介した小説「羊と鋼の森」もそのひとつだけど「調律」という仕事だけであんなロマンチックな話ができた。本書もピアノのメーカーとピアニスト、その中間で仕事するチューナー(調律師)の…

チック・コリア&小曽根真がモーツアルトを弾く

10月3日のNHKクラシック音楽館で再放送された、上記二人のジャズピアニストによるモーツアルト「2台のピアノのための協奏曲K365」は楽しい演奏でした。チック・コリアは惜しくも今年2月に亡くなったので追悼するための再放送になりました。(放送は第一…

川村湊 関西弁の「歎異抄」を読む

理解しにくい「歎異抄」をなんとかやさしく伝えたいと、各界のセンセイ方が解説本を著してきました。一般向けでいちばん大儀な本は高森顕徹監修「歎異抄をひらく」で実に350頁を費やして解説しています。出版社の名前が「1万年堂出版」というのも 面白い…

2013年 北と南  ミュージアム巡りの旅 (5)

札幌散歩のつづき・北海道開拓村・JRタワー(5月30日) 北海道開拓村 道立近代美術館を出て地下鉄で新札幌駅へ行き「北海道開拓村」行きのバスに乗ろうとしたが、タッチの差で間に合わず、やむなくタクシーに乗ります。料金1290円ナリ。ついさっき…

津本陽「巌流島」 ~武蔵と小次郎~を読む

もし、司馬遼太郎が武蔵の生涯を描けばどんな作品になっただろうか、と想像するのも楽しい。空海や義経を取り上げてるのだから武蔵が登場しても不自然ではないが、あまりに先例が多すぎて司馬風武蔵観の入り込む余地がなかったのかな、とも想像する。あるい…