2022-01-01から1年間の記事一覧

津野海太郎「最後の読書」を読む

書名を見て、なんか縁起わるう~~と思ったのは他人事ではないからです。で、著者の津野さんって何者と履歴を見たら、1938年生まれ(自分と1歳違いの寅年生まれ、自分は卯年生まれ)劇団「黒テント」の演出家、晶文社取締役、和光大学教授、同図書館長…

高山龍三「失われたチベット人の世界」を読む

自分の母方の家系図を一年がかりでこしらえる過程で本書の著者、高山龍三(故人)が遠い親戚であることがわかりました。10月の記事の小川洋子さんほどの珍事でないにしても「へえ~、そうだったのか」であります。どんな人物なのか、ウイキでぐぐるとチベ…

マスキングテープを使った手抜き年賀状

5枚、10枚、といった少数の義理年賀状を出すとき、市販の印刷賀状を使うのが簡単ですが、値段が高いし無駄になりがちです。そんな場合、手持ちのマスキングテープをテキトーにあしらってカッコつけるという方法があります。挨拶文字だけではあまりに無愛…

痒いところに手が届く・・エアコン用<お掃除スティック>

エアコンの掃除といえばフィルターしかしないのが普通。もうちょっとマメに手入れしたい人に便利な道具があります。写真の<お掃除スティック>で100均ショップ<cando> の商品。手の届きにくいエアコンの上面やフィルター下部の隙間のホコリ取りに便利…

もう一冊、岸本尚毅「文豪と俳句」を読む

図書館の書棚の「俳人漱石」のとなりに集英社新書の「文豪と俳句」があったので、これも借りてチラ読みしました。俳句づくりも嗜んだ小説作家の作品を解説した本です。漱石の句もでてきますが、前稿で紹介した<菫(すみれ)程な小さき人に生まれたし> はオ…

夏目漱石の俳句集から<秀作>を見つけました

12月13日掲載の森本哲郎「月は東に」の感想文では漱石が敬愛する蕪村と漱石の俳句作品の優劣差が大きいとの感想を書 きました。だから、漱石俳句集なる出版物はないのだと思い込んでしまったのですが eight8eight_888 さんから「岩波書店より単行本で「…

寒波がくる前に・・御堂筋イルミ見物

大阪の冬の定番見世物になった御堂筋イルミネーション。どうしてかっこよく見せるか、のアイデアも出尽くした感あります。「こんな案はどない?」と一般から募集してはどうでせうか。あるいはランプの新製品が登場するかもしれない。一本の木で七色に色変わ…

森本哲郎「月は東に」を読む

~蕪村の夢 漱石の幻~ という副題がついている。雑誌に連載したエッセイをまとめた地味なつくりの本でありますが、内容はとてもユニークな発想で、漱石ファン、蕪村ファン、どちらにもおすすめしたい作品です。 誰でも知っている漱石 『草枕』の冒頭と言え…

日記は月に一度、まとめて書く 

今週のお題「日記の書き方」 日記は月に一度、まとめて書く 日々の予定と出来事はメモ欄のあるA3のカレンダー(100均商品)に書き込み、スペースが足りなければメモ帳にも書く。これを毎月のはじめに日記帳に記す。このときに記事の取捨選択ができるので早…

小林秀雄「モーツアルト」を読む

およそ半世紀ぶりに再読。モーツアルトの伝記や作品論は20冊くらい読んだけど、音楽評論の専門家ではない小林センセのこの作品が記憶に止まっているのはなぜか。文章は上等とは言えないのに、なんか説得力がある。これです。 本書でいちばん知られている文…

炒飯にオクラのトッピング

冷凍野菜の品目が増えてコスト減、手間減に役だっています。かぼちゃ、ピーマン、オクラ、などを常備。いずれもカット加工済みなので、一度これを使うと野菜売り場で買う気になりません。オクラを炒飯にのせてチンすると、オクラのとろみがしみ出して飯に混…

和田秀樹「80歳の壁」を読む

同い年の友人からもらった本。老人の健康情報本を次ぎ次ぎ出してヒットさせてる和田センセ、帯に45万部売ったと宣伝しています。仮に一冊50円のロイヤリティなら・・2250万円ナリ。ええなあ。読む前にゼニ勘定して僻んでしまう○ビ80歳超dameo であ…

和田竜「村上海賊の娘」を読む

上下巻合わせて1000頁、上巻は友人から頂戴し、下巻は図書館で借りて読んだ。瀬戸内海に実在した村上海賊が毛利家の要請で大阪の石山本願寺へ10万俵の米を届ける。しかし、織田信長はこれを阻止せんと泉州の海賊、眞鍋一族などを使って合戦となった。その顛…

長浜浩明「日本人ルーツの謎を解く」を読む

何十年か前、韓国の南部で前方後円型の古墳が見つかった、というニュースを耳にした覚えがある。日本の前方後円型古墳の手本になった先輩古墳だと思った。自分だけでなく、日本人みんながそう思ったはずだ。日本の文明文化の多くは大陸から朝鮮半島を経て日…

A・ランボオ「地獄の季節」を読む

eight8eight_888 さんのブログに触発されて小林秀雄訳で読みました。フランスの詩集といえば青春時代に上田敏訳の「ヴェルレーヌ詩集」くらいしか読んだことがない。今回「地獄の季節」を読んだらこれはとんでもない辛口でアブサンを直に呑んだような・・知…

<閑人帳> ネット世間=愚者の楽園

◆ファスト映画の罪と罰 映画を10分くらいに短く編集して投稿サイトに有料かつ無断で公開した若者が起訴され、厳しい判決が出た。男女二人の被告が稼いだ金額は約700万円なのに対して判決で示された罰金は5億円である。二十代にして人生終了であります。…

 山本藤枝「現代語で読む<太平記>」

この本に出会わなければ「太平記」なんて難儀な古典に接すること100%なかったでせう。文庫本240ページに膨大な情報を凝縮かつ分かりやすく表現している。 それにしてもややこしい話である。何十人もの天皇、公家、武家、僧侶などが出入りし、登場人物…

訪ねてみたい<石川県立図書館>

今年7月にオープンした当図書館は設計の斬新さで評判になり、図書館らしくない?賑わいぶりらしい。当初は一日5千人もの入場者があったとか。下のHPの画像を見ても本で埋まった円形劇場みたいなインテリアでうろうろ回遊するだけでも楽しそう。先日紹介…

<続> 日高義樹「アメリカが日本に<昭和憲法>を与えた真相」

~その2~ 147~149ページに興味深い対談文がある。日高・・・要するに、国会議員のほとんど全員が憲法改正に賛成、軍事力の放棄にも反対はしなかった。 ビクター・ウイリアムズ・・・その通りです。憲法の改正は国会議員の間では極めて好評で、ほと…

 日高義樹「アメリカが日本に<昭和憲法>を与えた真相」~その1~

長文になったので2回に分けてアップします。 dameo は憲法改正賛成論者でありますが、賛否いずれであっても最低数冊の書物を読まないと現憲法の発想~成立のプロセスは理解できないと思っている。一冊読んで「憲法、ぜんぶ理解できました」はあり得ない。ネ…

宝島編集部「日本の新宗教50」を読む

元統一教会が安倍首相暗殺事件に関わったことで目下は非難囂々の有様で、世間では新興宗教団体への眼が厳しくなっている。では、実際にはどれくらいの新興宗教が存在、活動しているのだろうか・・という関心に応えてくれる本であります。対象は、仏教や神道…

吉村喜彦「バー堂島」を読む

小説のなかであっても自分の知っている風景や事物が登場すると気になるものです。この本で登場するのは<天保山>です。 本書は前に紹介した<子供 本の森 中之島>図書館の後ろを流れる堂島川沿いの小さなバーに集う客とマスターの交流物語。著者は当地に本…

日本一長い商店街歩き < ハルカスまでアルカス> ご案内

今週のお題「地元自慢」 6月に新聞記事を紹介したけれど、散歩に快適な季節になったので再度のご案内。大阪ミナミから日本一高いハルカスビルをめざして5200m、日本一長い商店街を歩かせるので<ハルカスまでアルカス>。地下鉄駅なら5区間ぶんの距離。後…

安藤忠雄<こども 本の森 中之島>を見学 

2020年にオープンした図書館で、建築家・安藤忠雄氏が設計し、大阪市に寄贈した子どものための文化施設。小さい図書館なので、利用は予約が中心で一日数百人の規模で受け入れています。大人だけの訪問は滞在時間が90分に限られているのが気ぜわしい。平日…

中島京子「長いお別れ」を読む

後期高齢者夫婦と三人の娘が主役の介護ドラマ。ソレ、只今、自分が当事者デアリマス、という方たくさんおられると思います。ほろ苦い、悲しい思い出があるかたもいっぱいいるはず。介護のリアルな描写から、もしや著者、中島京子センセも介護の当事者か経験…

むかご飯と豚汁・・竹林広場の昼メシ会

秋晴れの一日、奈良県香芝市にある住民が運営する広場での恒例の昼メシ会。材料を持ち寄って、むろん、ビール、ワイン、日本酒も揃えて歓談のひとときを過ごしました。なかにはむかご飯をはじめて食べた人もいて大感激。薪で炊くからいっそう美味しい。レス…

小川洋子「カラーひよことコーヒー豆」を読む

雑誌<Domani>に連載したエッセイ集(2006~2008年) ◆本物のご褒美 小川洋子いちばんの人気作品「博士の愛した数式」は2006年に映画化された。自作の映画化ははじめての経験だったので公開初日に三宮の映画館まで観客の一人として出かけた。梅田から阪…

鈴木信行「同窓会に行けない症候群」を読む

巻頭に黒地白抜き文字でこう書いてある 今、日本には2種類の人間がいる同窓会に行ける人と行けない人だ ご大層なコピーに「それがどないしてん、たかが同窓会の話やろ」とイチャモンつけたくなります。以下、236ページに亘って同窓会に行く、行かないが…

加瀬英明「ジョン・レノンはなぜ神道に惹かれたのか」を読む

今週のお題「最近おもしろかった本」 加瀬英明「ジョン・レノンはなぜ神道に惹かれたのか」 下に紹介する「四天王寺 古本市」で買った9冊のなかの一冊。著者は外交評論家。中曽根内閣などでは首相の特別顧問として対米交渉の現場で働いた。一方、びっくりし…

 美達大和「死刑絶対肯定論」を読む

二件の事件で二人を殺害し、服役中の受刑者が書いた死刑肯定論。自信をもって「凶悪犯はビシバシ死刑にせよ」と説いています。思わず「お前が言うな」とツッコミたくなります。 本書を読んでアタマが混乱しそうになるのは、二人も殺した凶悪犯が書いた本にし…