読書感想文
軽重いろいろなテーマがあるが、一番チカラを入れて書いたと思われるのが「統帥権」というテーマ。これの乱用が軍国主義を生み、日本の開戦~敗戦に至ったのでありますが、著者は、軍部がいつ頃から、なぜ、暴走してしまったかをエッセイとして書いている。…
文字を読む、文を読む、作品を読む・・文字を通じて書き手の人生を読む。チラシを読む単純作業から人の心を読む難解なことまで、あらゆるコトを読みまくる日々。そこをクセ者、高橋センセは子供に諭すような文体で読ませます。 43頁「もう一つ、簡単な文章を…
聖徳太子は外国人だった・・の衝撃珍説 20年くらいまえに「太子快道」なるウオーキングコースをつくろうと思い、太子に関する本を30冊くらい読みました。そのなかで一番興味深かったのが本書です。え?・・太子は外国人やて?、そんなアホな。であります…
22頁「もちろんピッタリというわけにはいきませんが、これまで多くの社長の財布を見てきて、概ねその人の年収というのは、今使ってる財布の購入価格の200倍に匹敵する、という事実に気づいたのです」 20万円の財布を使ってる人なら、その人の年収は4000万円5…
親子ほど年の差が大きい作家と哲学者の連続対談を収録したもの。書名から察すると若者向けの生き方啓蒙書のように思えるけど、オジンが読んでも勉強になりました。驚くのは鶴見センセの記憶力の凄さで、自分の子供じぶんや若い時代の出来事から人名、履歴が…
図書館で中島京子の本を探していたら、同じ棚の隅にはぐれモノのようにこの本があった。お、これ、昔に読んだことあるわ、と借りて帰る。嗚呼、懐かしい文章ではありませんか。イヤハヤ、60年昔はこんな本読んでいたのかとしばし感慨に耽ったのであります…
文庫版が1998年に発行されてから2011年までの13年間に26刷を数えている。地味ながらロングセラーを続ける理由は何だろう。想像でいえば、イギリス人のおばちゃんのものすごい行動力、観察力と、それにしてはクールな文章表現が読者に大きな信頼…
◆お知らせ・・・今まで二日おきくらいで記事を投稿していましたが、近日、視力が衰えて読書スピードがいっそう遅くなってしまいました。もう長編は読みたくない(読めない)がホンネです。今月からは月に10本以内に減らして細々続けたいと思います。引き続…
作家が小説の構想を練るときは「どんな読者に読んでもらいたいか」が重要な要素になりますが、本書においては40歳以上の男性はまったく視野にないでせう。そこんところ、オジンが少しの義理あって読んだのであります。内容は若い女性向きのファンタジー。…
Gウイーク頃から少し体調(ガンの後遺症)が安定してきたので外出の機会を増やしています。今回は主題の図書館。名前のように子供向きの図書館ですが、予約すれば大人でも利用できます。子供向きと言っても平日の昼間は学校授業があるから利用出来るのは未就…
著者、中井氏とは一、二度お会いしたことがあって、堺市大浜公園の「蘇鉄山」山名登録運動がご縁だった。もしや、地元のバー「クラシカル」マスター髙杉さんの紹介だったかもしれない。中井氏は堺市に勤める公務員(すでに退職)が本職だけど「堺の歴史なら…
Kさんから電話あり。「まちごうて同じ本を2冊買うてしまいましてん、一冊贈るので読んでくれますか」一体、どんなミスをすれば、こんな悔しい事態になるのか。事情はともかく、有り難く頂戴しました。何度も書くが、お酒、食料から書物まで、駄目男の暮ら…
図書館でこの本を見つけたとき,中身も見ないで「良い本に出会った」と嬉しくなりました。読んでみれば期待通りで、読書の達人が対談で好きなように語る雰囲気まで伝わるような楽しい本です。 城山三郎は有名作家だから紹介するまでもありませんが、平岩氏は…
リニアがダメならこれでいく!? 本書で一番興味を引いた記事は「リニア新幹線開発でコケたら<第二東海道新幹線>をつくればよろし」であります。そんなアホな・・・。しかし、よく読んでみると十分説得力があり、ほんまや、それのほうがよろしいがな、と思…
◆肝心の開発コンセプトが時代遅れになってしまった 数年後に品川~名古屋間が開業しても東京~名古屋~新大阪間の所要時間は現在よりほんの少し(20分程度)短縮されるだけです。その代わり面倒な乗り換えが必要になり、乗り心地も新幹線より悪くなる。「…
前回は利用者の立場でリニア新幹線不要論を書きました。続いて技術面でのリニアに関する不信感や不安を書きます・・といっても自分にはぜんぜん知識が無い。まずは、川辺謙一「超伝導リニアの不都合な真実」という本を読みました。表現は穏当ながら、リニア…
現在の東海道新幹線はいずれ輸送力が限界を迎える。また、大地震など、大災害時には代替の交通システムが必要、さらに、現新幹線の大規模リニューアルでは長期間の休業が必要・・などの理由で「リニア中央新幹線」が企画され、すでに工事が進んでいます。予…
齋藤センセのハウツーもの著書としては少し異色というか、内容がやや暗いめというか・・人生相談みたいな内容の本。心の機微にふれる話が多いのですが、まとめの上手さはいつも通り、主張はすれど押しつけないソフトな語り口もふだんの齋藤流です。 dameo は…
雑誌などに掲載したコラムをまとめた辛口の評論集。著者は中国哲学史研究者で保守の言論人だから、標的にされたのは左翼やリベラルの人物が大半で、こんなに露骨に悪口書いて委員会?と心配するくらいであります。しかし、名誉毀損などで訴えられたケースは…
4月30日の「Nスペ・立花隆の最後の旅」を見た。この日は立花隆の一周忌。永年、ドキュメント作品づくりで立花と付き合ったディレクターの目でみた「知の巨人」人物像の紹介であります。(当ブログ3月28日の記事で立花隆「僕はこんな本を読んできた」を…
3日はとてもさわやかな晴天だったので、おなじみ四天王寺の古本市へ。陽気につられて老若たくさんの客で賑わっていました。7割が男性客というのはところ問わずのパターンみたい。今日、一番人気のあったのは200円均一売り場でレジに行列が出来るくらいでし…
近頃、視力が衰え気味なので弱視者用の大活字本で読みました。これなら330ページを3時間以内で読めてとても快適。本の内容も大事だけど、ロージンには読みやすいかどうかも選択の判断になります。前回紹介した中島敦の短編集は全180ページ中「注解」…
何十年ぶりかで再読。若い人にはほぼ無視されてる作家ですが、短編ながら中身の濃さでは凡百の作家、足下にも及ばずであります。重厚長大でなく、重厚短小で印象深い作品です。「山月記」はながらく教科書にも使われたそうだから「そう、人が虎になってしま…
著者が東京の某所の生涯学習講座みたいな講座でしゃべったことをまとめた本。話し言葉で書かれているので親しみやすいが、内容がラフというものではない。膨大な資料を渉猟して得たマジメな情報を500頁とヴォリュームたっぷりの本にまとめました。 歴史マ…
めったに立ち寄らない雑紙売り場で目にとまったのがこの本。購入するのはン十年ぶり・・であります。いまどきの若者、中年はどんな本を読んでいるのかという傾向と売れ筋を知りたくて買いました。文字の小さいのが気に入らないがムリしてページを繰る。カッ…
受信者から強制的に受信料を徴収して経営しているのに、デタラメな番組をつくって国民を欺いてるのがNHK。その内実を糾弾する本です。・・と書いてもネタが古いし、視聴者のほとんどには「何のこっちゃねん?」な、ウケない話題であります。 NHKのすべ…
著者の絶筆「死への道程」は文芸春秋四月号に掲載され、3月13日、当ブログで紹介しました。幸いにも同号では石原氏の芥川賞受賞作「太陽の季節」とその選評全文も掲載されたのでトクした気分で読みました。芥川賞作品を読む楽しみの三分の一くらいは「選…
■諫早菖蒲日記 ■夕暮れの緑の光 作家にも、地味タイプと派手タイプがあるとすれば、この人はジミ派の代表。作品がトップセラーになったとか、映画化されたといった世俗的話題には上らないまま、1980年、42才で急逝。しかし、そのジミな作品を愛するフ…
人は生涯に何度「退職願い」を書くのだろう。そんなデータはないと思うけど、勝手に想像すれば2~3回ではないだろうか。現在の若者は5回以上が普通になるかもしれない。dameo の場合は4回退職して自営業になったけど、4回目は社長が夜逃げしたので「退…
読みたいと思っていたパガニーニの伝記にようやく出会った。18~19世紀にヨーロッパで大活躍したニコロ・パガニーニの天才ぶりと波乱に満ちた生涯をコンパクトにまとめた本で、興味津々だからすいすい読めました。 異様な風貌と黒づくめの衣装の印象など…