訪ねてみたい<石川県立図書館>

 今年7月にオープンした当図書館は設計の斬新さで評判になり、図書館らしくない?賑わいぶりらしい。当初は一日5千人もの入場者があったとか。下のHPの画像を見ても本で埋まった円形劇場みたいなインテリアでうろうろ回遊するだけでも楽しそう。先日紹介した、大阪中之島の<子供の森>図書館をうんと拡大したような感じらしい。本が売れなくなり、出版業界がピンチに陥る一方でこのような魅力的な図書館がデビューすること大賛成であります。


たくさんある設計コンセプトのなかに <どうぞお静かになさらず>があるのも楽しい。ここは、おしゃべりOKの図書館、賑わいに溢れた図書館です。でも、「静かな空間で読書したい」そんなあなたのためには、特別なご予約席をご用意してあります。その名も「サイレントルーム」。落ち着いた空間で、本の世界にどっぷり浸かってください・・との案内がある。利用者もちょっぴり意識を変えないと新しい図書館のコンセプトについていけなくなりそう。


・・と、新型図書館のデビューを祝いながら、図書館利用者の増加が本の売り上げ増加に直結しないという、作家や出版会社の悩みは解消されない。以前にも書いたような気がするけど、あるとき、作家の朝井まかてさんが図書館で講演会を行い、本を借りるだけでなく、買ってくださいという趣旨の話をされた。
 図書館でそんなこと言って委員会?・・でありますが、言いたい気持ちも分かる。ヒット作品が生まれて売り上げが何十万冊となっても、その外側にタダ読みする読者、即ち、図書館利用者がいて、彼らは作家や出版者の利益にほとんど寄与しない。苦労して世に出した本を読んでもらえる有り難さと一部の人にタダ読みされる無念さ、なんとかならんかい?であります。ヒット作品が図書館で予約待ち100人、なんて情報は出版社を大いにいらつかせる。そのうち、改善策が生まれるかも知れませんが。

 

石川県立図書館 公式HP
https://www.library.pref.ishikawa.lg.jp/