和田秀樹「80歳の壁」を読む

 同い年の友人からもらった本。老人の健康情報本を次ぎ次ぎ出してヒットさせてる和田センセ、帯に45万部売ったと宣伝しています。仮に一冊50円のロイヤリティなら・・2250万円ナリ。ええなあ。読む前にゼニ勘定して僻んでしまう○ビ80歳超dameo でありました。


中身はすでに知ってることが大半で新鮮情報はありません。要するに、80歳過ぎたら医者頼り、クスリ頼りの健康維持はやめて「好きを優先したライフスタイルを楽しもう」と奨めている。具体的には・・・・

○食べたいものを食べよう。お酒も飲もう。
○眠れなかったら寝なくていい。
○ダイエット無用。小太りくらいでいい。
○無理して運動するな。散歩だけで十分。
○医療に頼るな。医師には「健康」という視点がない。
○薬は不調なときだけ飲もう。
○老いを受け入れ、できることを大事にする‥云々。


自ら医師なのに「医療に頼るな」なんちゃって無責任ですが、センセは精神科医だから、とりあえず他人事みたいに言えるんでせうね。内科やガンの医師が本書を読めば「おーおー、ええかげんなこと書くなよ、商売の邪魔する気かい?」と言いたくなるかもしれません。しかし、どんな医師にもホンネとタテマエ、両方ありますから,ホンネでは和田センセに共感する医師も多いと思います。


医者に頼るな、という和田センセの意見には賛成でありますが、自分は一つだけ「医者を頼り」にしていることがあります。それは歯のメンテナンス。10年くらい前から歯痛とかが無くても年に10回は歯科医に通って掃除と検査をしてもらっている。おかげさまで抜歯するようなトラブルはなし、歯痛で困ったこともありません。なので、他人にも定期検診を奨めるのですが、反応は「具合悪くなったら医院へ行く」と言う人が多い。検診にこだわるのは、自分は入れ歯なんて絶対イヤで「死ぬまで入れ歯ナシで過ごす」と決めているからです。(歯周病や入れ歯が認知症など、脳の健康に悪影響があるとの説もあるそう)いくら歯磨きのワザを磨いても完璧は難しい。だったら専門家に助けてもらおうと「医者頼り」しています。


本書をはじめ、老いてなお心身の健康を維持するためのハウツーブックが溢れています。そこでdameo が言いたいのは「健康な心身で何がしたいの?」であります。身体健康、生きがいナシみたいなロージンが増えているような気がします。健康を自己目的化して肝心の「生きている意味」を考えない。読書と言えばハウツーものしか読まない人が年老いたら・・最後は<ハウツー安楽死>ブックを読むのでせうね。(2022年 幻冬舎発行)

 

<追記>

 和田センセがオンラインで講義している、健康と長寿についての提言を紹介。

長生きしたければテレビは見るな…老年医学の専門医が「街ブラ番組は特に危険」と訴えるワケ 最大の問題点は「人を座らせたままにする」こと | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)