学研・辞典編集部「カタカナ新語辞典」

 戦前生まれはヨコ文字に弱くてこういうトラの巻が必要であります。おまけに加齢による記憶力減少でなんでもない日常語を忘れたりする。さらに、情報関連用語はヨコ文字氾濫状態でこの辞典が大活躍、と書きたいのですが、残念ながら活躍してくれない。なんでやねん?
 答えは「賞味期限切れ」です。購入したのは1996年。680頁に1万6000語のカタカナ語を網羅、というから大いに期待して買い、実際、役に立ちました。しかし、10年を経た2005年ごろから「ありゃ、載ってないがな」と困惑する場面が増えました。


この原稿を書くためにちょっとチェックしてみました。あちゃ~~<インターネット>がありません。<ブログ>もない。プロレタリア、プロローグ、フロン、ブロンズ、フロンティア・・。編集は1995年までに終えてるとしたら、掲載していないのが当たり前です。
 実はこの辞書が発売されたあとでパソコンが普及し、ネットやメール、ブログが急速に普及したと思われます。MSのWindows が普及しはじめたのが1995年ごろではなかったか。ちなみに、ウインドーズで引いてみると<ウインドーシステムを採用することで操作性を高めたパソコンのOS>が出てきます。そういう時代だったのですね。ついでにAIで引くと、人工知能云々という説明があります。概念としてはもう広く知られていたらしい。


ページをパラパラ繰ると、1頁中の言葉で全部知ってる言葉ばかりとか、逆に知らない言葉ばかりというページはなく、3~4割くらいはこの辞典に頼らなくても知っているという感じです。5000~6000語は日常会話で使ってるということです。

 補足すると、当辞典には、ボーイとかペンとかテレビとかサンキュー・・といった小中学生でも使う日常英語は掲載していないから、私たちは毎日1万以上の外来語を使って暮らしてると言えます。これらのカタカナ語がなければ、会話はできず、文章も書けない。(ペンやテレビは日本語で書く、話すほうが難しい)

現在は新しいカタカナ語が日々増えてるのでもう覚えきれない・・・。年寄りが置いてけぼりになるのは仕方ないか。

 

市場では改訂を重ねた新しい「カタカナ語辞典」がたくさん出回ってる・・のか、どうかわからない。辞典も電子化されて今や紙の辞典なんかぜんぜん売れないような気がします。ならば自分がが持ってる「役に立たない」カタカナ語辞典もすでに希少品かもしれない。というか、本当は片っ端から言葉を忘れているのが実情だから、捨てるなんてあり得ません。貴重な伴侶、ヘルパーであります。