ご無沙汰です。昨年暮れから怪我や病気で体調ガタガタになり、投稿できませんでした。何より視力低下が著しく眼科へいくと「脳梗塞かも」と云われ、来週MRI検査を受けます。作文は右目だけで書いています。
せめて気晴らしにと、昨日「ゴジラ」を鑑賞にでかけました。スクリーンがちゃんと見えるのか気になり、前から5番目の席を選びました。結局、半分以上は右目だけで鑑賞した感じですが、まあ、仕方ない。
数年前?に見たゴジラは「SIN ゴジラ」という作品で特撮もよくできていたので伝統あるゴジラ映画もいよいよこれでオシマイかと思っていたのに懲りずに新作登場、まだまだ稼ぎまっせ、と東宝もしつこい。
今回作品の一番のアイデアはゴジラの出番を終戦直後に設定したこと。過去の作品は水爆実験のあとで、かつ,日本に自衛隊ができていた1950代以後
だったのに、この伝統を破りました。つまり、日本は終戦直後、全く無防備なときにゴジラに襲われる。(当然、日米安保条約なんてものはない)
では誰がゴジラと闘うのか。戦場から戻った敗残兵です。敗戦によって戦力はゼロの状態ですが、それじゃ物語ができないのでご都合主義全開で脚本をつくりました。主役を務めるのが開発途中だった戦闘機「震電」です。元特攻兵である青年が米軍ではなくゴジラに「特攻」して散る・・のかと思いきゃ、死なない。ご都合主義、ここに極まるのでありますが、ま、娯楽作品なので許して下さいませ。でも、このアイデアは秀逸です。戦力ゼロの日本がゴジラと対峙する脚本ははじめてでせう。
見せ場となる「特撮」はよくできていてゴジラの動きにも迫力がある。迫力が増したのは従来のゴジラより動作が速くなったせいかもしれない。初期のゴジラのような「のっそり」感ではなく「ビシバシ」暴れるからではないか。このへんの感覚は制作者の世代感覚の変化かもしれない。
小さなアラ探しをひとつ。終戦直後の東京の街。米軍の空襲で焦土となった場面の再現では木造住宅が瓦礫となって散乱するシーンがあるのですが、東京や大阪の空襲は主に焼夷弾が使われたので文字通り「焦土」であり、ほぼ黒一色になったのが正しい風景なのに映画では家屋や板塀などが壊れて散乱する描写になっている。これでは爆弾による破壊風景になります。しかし、制作コストを考えると黒一色の焼け野原をつくるほうが高くつくと判断したのかもしれません。ま、空襲を記憶している観客なんて100人に一人いるかどうか・・。
今回作品の脚本が面白いので、これを機に「東宝」はゴジラ作品の脚本を公募したらどうでせうか。小学生でも応募できるように間口を広くして斬新なアイデアを募ります。一等賞金は1000万円。さらに映画化すれば売り上げの1パーセントを贈る。ゴジラファン、SFファンはもちろん、創作に興味ある人には最高のエンタメになるのでは。