斉藤孝「本は読んだらすぐアウトプットする」を読む

佐藤優氏などとともに斉藤孝センセも「スーパー読書人」の一人でありませう。読むだけでなく、著作活動ものすごくて、累計発行部数は1000万冊を越えるそうであります。読書好きが社会的知名度を高め、財を築く。万年無名、貧乏読書人とは天地の差があります。


しかし、この本を開いて「なんだか・・斉藤センセもネタ切れなのかなあ」と思った。100頁で書ける内容を200頁に「増量」している。2頁で掲載できる「目次」に8頁も費やしている。もしや、編集者の売り上げ優先の発想かもしれないが、装幀を含めた書物のクオリティーとしては斉藤センセのイメージダウンを誘うのではと感じました。本のカタチとしては文庫や新書のほうが良いのではと思ってます。

 

読む尻から忘れるのがふつう
 しかし、内容は至極まっとう、納得できることばかりです。読書好きの人が毎日せっせと本を読んでも、実は読む尻から忘れるのが実情だと。ほんま、その通りです。年間100冊もの本を読んだとして、その内容のいかほどが新たな知識になり、精神の糧となって残るのか。これを説明できなければ、読書も単なる娯楽、ヒマつぶしでしかない。


「だから、読んだらすぐにアウトプットせよ」と奨める。そのアウトプットのハウツーを詳細に、延々と説明するのですが、中身は常識的なもので、読書好きな人ならだれでも思いつくことが大半です。むしろ、丁寧な説明が煩わしいと思うくらいです。


読書好きにしてブログの登録者はほとんどが自分流スタイルで感想文などを投稿(アウトプット)しています。自分にはこれを読むことがとても勉強になります。石器時代脳しか持ち合わせない者にはいろんな世代の人の作文を読むことで世相や時代感覚を知ることができます。(自分と同じ世代のはてなブロガーが何パーセントくらいおられるのか、知りたいけどデータが見つからない)。


我田引水・二次アウトプットは「紙」で・・・
 読んだ本の紹介文をブログに投稿して「アウトプット」できた。これでヨシでありますが・・。嗚呼、そのアウトプットした文章もまた忘却するのであります(笑)数年も経てば、紹介文どころか、その本を読んだことも忘れてる。そんなの、あんたがアホやから、で済むことですが、悲しいかな、本当であります。


投稿した文の9割は再読に値しない駄文だとしても、少しは、感銘した、読んでよかったと思う本や感想文もある。それを選んで残しておきたい。しかし、記録保存に何の安全保証もないブログで残すのはまずいでせう。ならば、紙で残すのが一番簡単です。紙にプリントしてファイルに綴じる。誰でも簡単につくれます。たぶん、100年くらいは保存可能です。


ん?・・もしや、この「紙の記録」を作ったことも忘れるのでは?。いいえ、忘れる前にあの世へ行くから大丈夫です。(2019年 興陽館発行)


dameoの手づくり<ええかげん 読書ノート>。ネット環境のない人も読めます。

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(2019年 興陽館発行)

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