ひえ~、こんな本もあるのか、と思わず手に取り、借りて帰った本。ベートーヴェンからショスタコーヴィチに至る百余年のあいだに活躍した作曲家の作品をケチョンケチョンにくさした評論の抜粋集であります。
さっそく、リヒアルト・シュトラウス曲の批評文を読む。駄目男は「ティル・オイレンシュピーゲルの悪戯」は「いちびり」の発想で作曲したのではないかとシツレイなことを感想分で書いたことがありますが、100年前の批評家はどう評したか。(青色文字が批評文)
音楽上のユーモアはだいたい退屈なものだが、シュトラウスのユーモアは私がかつて退屈したことのあるもののうちでも、最も退屈なものだったというしかない。はっきり言って、私は「ティル・オイレンシュピーゲル」をチクチクする再生毛糸でつくった、いい加減な代物として却下する。(ロンドン・サタデーデビュー 1896年5月)
R・シュトラウスの最近の労作は、なんとつまらないことだろう。私はこの呪うべき「よじれて壊れた」ポリフォニーと戦っている。このゾロアスター的文化、音楽の名のもとにある音の塊は、忌まわしい口げんかに過ぎないと言っても良い。(略)和音を込み入ったものにし、対位法を複雑なものにし、オーケストラを騒々しくすれば、音楽を高めたことになると思いこんでいる。(アーサー・バード ニューヨーク 1900年)
19世紀末、まだまだ様式美が重んじられた音楽界にあって、シュトラウスのような前衛的な作品は「下品、騒々しいだけ」の評価しかしてもらえなかったようであります。 では、人類の音楽遺産ベスト3に入るかもしれない、ベートーヴェンの「第九交響曲」の評判はどうだったか。
第九のオーケストラ部分全体がとても退屈だった。幾度か寝入りそうになってしまった。合唱部分に達したときはほっとした。しかし、第九のこの部分に関しては、ほとんど互いに混ざり合わない奇妙で滑稽、たどたどしく獰猛でキーキー響く素材と、ただ一つのわかりやすい旋律からできあがっているようだ・・と、残念だが言わなくてはならない。プログラムに印刷されてる歌詞に関していえば、全くお話にならず、しかも一切の騒音が何を意図しているのか、全く分からなかった。総体的な印象としては、インディアンの雄叫びと荒れ狂った野良猫たちから成り立ったコンサートだった。(ロードアイランド州の新聞評 1868年)
ベートーヴェンの最高傑作曲が死後20年経った時点でも、こんなに酷評されてたわけで・・。「歓喜の歌」の合唱をインディアンの雄叫びとは、えげつないですなあ。日本に比べ、欧米の人は好き嫌いの評価をストレートに表す。ストラビンスキー「春の祭典」初演のときは演奏中に聴衆のブーイングがひどくなり、お客さんどうしで殴り合いする乱闘騒ぎになった。
もちろん、発表即大好評という作品も多々あるのですが、斬新なアイデア、技法を使った曲は、30~50年後にようやく「名曲」と評されるケースが多い。それは絵画の世界でも同様で、ゴッホやモディリアニなんか、生前は全然評価されなかった。その点、文学のほうがわりあい社会になじみやすいかもしれません。(音楽の友社 2008年6月発行)
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イケます!お湯割り焼酎+ショウガ
前回の感想文「すぐ死ぬんだから」の最後に内舘センセ提案?の「ハイボールの泪割り」を紹介、自分で試作してみたけど味はイマイチでした。
そこで dameo の考えた別のアイデア、焼酎のお湯割りに生ショウガを擦って入れたらどない?を試したら、これはイケます。寒い日にぴったり、ショウガの香りが新鮮です。なんかホットワイン的発想ですが、この味ががキライと言う人はいないような・・と宣伝しておきます。(生姜はチューブもんは絶対駄目)焼酎は「麦」「芋」どちらでも。そういえば、ホットワインも永らくご無沙汰です。
ついでに、一番簡単なホットワインの作り方を紹介。寒い夜にぴったり。
ワインは400円~とかの安物でOKです。
https://cookpad.com/recipe/5498784