生涯に何人の人と出会うのか

 終活の最後の作業は住所録の整理・・と思っていた。喪中はがきを出す相手の住所氏名一覧であります。しかし、その前に「名刺ファイル」の整理、処分という作業があることに気づいた。すでに廃棄したものもあり、今残ってるのは300枚入りが3冊。満タンではないけど600~700枚くらいありそうだ。ほとんどは仕事をリタイアした1995年頃以降に受け取った。


ファイルを見て考えた。人は生涯にいかほどの出会いがあるのだろうかと。1000人?1万人? 多い少ないは何で決まるのか、と考えると、職業による、地域による、趣味による、とさまざまな出会いがあるけど、ここで言う出会いは名刺を交換した人に限られる。名前を名乗り、相手の顔を見、一言でも言葉を交わした人に限られる。生涯、営業や広報の仕事に携わった人はそれこそ1万人もあり得るし、工場のライン作業に携わった人は100人もありうる。いや、それはないか。


以上はアナログ時代の話で、デジタル世間では何倍もの多くの人との出会いが容易につくれるけれど、ふつうは仮名と記号しか名乗らないから、紙の名刺を交換する出会いに比べたらリアリティは皆無であります。なのに、たいていのネットユーザーは「世間とつながってる」と勝手に思ってる。ネット世間でのつきあいは、スイッチオン、オフ操作で決まる。そのシンプルさが心地よいけど、しょせん、仮想のつきあいです。


 自分の経験から言うと、無職閑人であっても名刺をつくっておくと便利です。挨拶しやすいし、会話のきっかけにもなる。多くの読者に支持され、本の出版もするような有名ブロガーはふつうに紙の名刺を用いてリアルな人間関係を築いていると思います。そんな紙製カードを時代遅れとは言わないでせう。
 ファイルを繰りながら、あの人、この店、どうなってるかなあと、しばし懐しさに浸りました。

 

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