キタ~~~~・・ボケ神降臨

 同年配の友人知己が次ぎ次ぎ認知症を発症してやばいなあと警戒していたところ、先月、とうとう自分にも降臨したのであります。それを仮に「ボケ神」と呼ぶことにします。

先月下旬の某日。ボケ神は一日に一つのテーマをもって降臨させ、患者にボケを自覚させるようであります。これが数日続きました。一日一題でテストされたみたい。


 一日目、銀行へお金を下ろしに行った・・ハズなのに、カードも通帳ももっていなかった。・?・?・?・・ATMの前に佇んでしばし呆然。混雑時だったら係員に注意されたかもしれない。シオシオと家へ戻るときのミジメな気分、自己嫌悪。


 二日目、晩飯を炊こうとして米を洗い、セットして・・炊飯器の操作がわからない。30年昔の炊飯器なので蓋をしたらダイヤルを「炊飯」にあわせ、ONのスイッチを押すだけなのにそれができない。炊飯器を見つめたままボーゼンとするだけ。実際は10~20秒くらいだったと思うがとても長く感じた。そのくせ「もう使用説明書なんか残ってないよな」と別の気遣いをしている。幸い、霧が晴れてメシは炊けましたが・・。


 三日目、友人にメールを送ろうとしてパソコンをONしたが・・。次の操作ができない。画面がすごくよそよそしく見えた。自分の場合、まずOCNのアイコンをタッチして開くのだが、それができない。一回の操作で相手のアドレスがでるハズとカン違いしてるような・・。毎日使ってるのに何年ぶりかでONしたようなしらけた感じ。で、あきらめて別の用事をして再度ONしたらいつも通りにできた。


 四日目、Aさんに手紙を書く。数行目「庭」の文字が書けない。本棚に愛用の「ど忘れ漢字辞典」があるけど面倒だから思い出そうとするも、まったく思い出せない。「庭」を飛ばして書き続け「おおむね」を漢字で書こうとするも、出てこない。ようやく左が「木ヘン」だと思い出したが右のカタチが皆目浮かばない。この漢字忘れは一年くらい前から症状が大きく悪化している。しかし、漢字の読み方を忘れた,と言うケースはあまりない。読むと書くでは記憶の容量が大きく異なるせいだと思う。
 Bさんから電話。奥さんが深刻な急病で救急搬送された。病院で手続きするとき「オレ、自分の住所、書かれへんかった」という。そんなアホな、と思われるでせうが、自分は納得できる。学校では級長だったBさんもトシには抗えない。


五日目、市内某所へ写真を撮りに行った。現場に着いてリュックを開けるとカメラが入ってない。プハ・・・すごすご帰宅。外出先で財布を無くすよりずっとマシ、としょーもない言い訳で自分を慰める。馬鹿無能のハードルがどんどん下がっていくのであります。


でも・・・読者諸兄は疑うでせう。毎日続くボケ、ドジをなんでそんなにしっかり覚えてるんだと。実は一日目の財布忘れドジでいつにない危機感を感じてノートに一行メモした。すると明くる日も・・。で日替わりドジ大会をメモしたのであります。思いっきり良い方に解釈して「ボケ神さまからの善意の忠告」と受け取り、いっそう気をつけるようにした。以後、ドジの連発は起こしていない。ま、そのうちに繰り返すでしょうが。