水について考えたこと<3> インドと中国は水不足が国難に?

 インドと中国の人口を合計すると28億人。世界総人口80億人の35%を占める。この両国が水不足で難儀している・・という話はあまり伝わらないが実は深刻な状況にある。特にインドは危機的状況に陥っている。インドは最近、月へロケットを飛ばして「先進国入りだ」なんちゃって張り切っているけど、下層の国民は毎日の飲み水さえ確保できないありさま。どう甘くみても二流国だ。モディ首相を高く評価するのは見当違いである。


以下はCNNのレポートでインドの深刻な水不足の一端を知ることができる。読めば「インドに生まれなくてよかった」と思うでせう。国民に飲み水さえ供給できない国なのに国際会議でエラソーにするな、であります。


 人口世界第一位のインドの水不足が深刻だ
 https://www.cnn.co.jp/world/35120961.html#:~:text=

インド各地でおよそ1億人が、全国的な水危機の最前線に立たされている。インド国営のシンクタンク、インド行政委員会の2018年の報告書によると、インドの計21の主要都市の地下水が来年枯渇する見込みだという。


インドで供給される水の4割を占める地下水が年々減りつつある。他の水源も枯渇しつつあり、インド政府の中央水委員会(CWC)は今年6月、インド国内の貯水池の約3分の2で基準水位を下回っていると発表した。


21の主要都市の地下水が来年枯渇する見込みだ。ナレンドラ・モディ首相は最近、水資源管理を監督する「ジャル・シャクティ省」を創設し、さらに選挙公約として掲げた、2024年までに地方の全世帯にパイプで水を供給する計画を改めて表明した。

しかし、多くの人々はそれだけでは不十分と考えている。国連の人権に関する報告書によると、世界は壊滅的な干ばつ、飢餓、熱波に直面した際、富裕層しか基本的資源を購入できない、いわゆる「気候アパルトヘイト」の状態に急速に近づきつつあるという。インドの一部の場所では、すでに災害が発生している。インド第6の都市チェンナイでは、水源である4つの貯水池がほぼ枯渇している。


同市では、政府の給水車から容器に水を入れるため、毎日数十万人の住民が列を作る。また病院や学校といった重要なサービスも運営に支障をきたしている。人々は毎日同じ汚れた水で皿を洗い、2~3本のボトルに入ったきれいな水は料理用に取っておく。


水を得るために給水車に群がる人たち


  今後水危機が拡大すれば、将来、インドのより多くの場所でこのような光景を目にすることになるだろう。インド行政委員会の報告書によると、すでに全国で6億人の人々が深刻な水不足に見舞われており、毎年20万人が飲料水不足あるいは安全ではない水を飲んで死亡しているという。
 また水が枯渇すると、国は、食料不足、猛暑の間の脆弱(ぜいじゃく)性、公衆衛生の悪化に起因する疾病、水をめぐる地域間紛争など、水に関連する諸問題に直面する恐れもある。


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中国はほんの30年くらい前は食料自給率は100%に近かった。農産物も畜産も輸入しなくてよい恵まれた国だった。しかし、インドと同じく人口圧力が強まり、悪評の「一人っ子政策」を押しつけても億単位で人口が増えた。おまけに、経済の解放、自由化政策推進の結果、国民は<贅沢>を覚えた。
 一方で水不足がジリジリ進む。あの「大黄河」が海へ注ぎ込む前に干上がって河原が砂漠みたいになってる写真を見て驚いた。(10年以上まえの話)
 しかし、中国政府はインドほどアホではなかったので水不足には真摯に対応した。「南水北調」なんて気の遠くなるような大プロジェクトを敢行したが、これでも水問題は解決できなかった。


量が不足のうえ、水質が悪い。北京や上海など大都市のホテルでも水道水を飲むと下痢とか起きる。バスタブに貯めると薄く色がついてる。ただし、下痢するのは旅行者で地元市民はそこそこ耐性ができてるらしい(不詳)
 中国は半導体の自国生産を目指して企業誘致に必死でありますが、半導体製造にはものすごく上等な水が大量に必要。日本で熊本や千歳で半導体製造工場の建設を進めているのは「良質な水」が得られるからである。


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参考:水ストレス 
 水需給がひっ迫している状態。水ストレスの程度を表す指標として、「人口一人当たりの最大利用可能水資源量」がよく用いられる。この指標では、生活、農業、工業、エネルギー及び環境に要する水資源量は年間一人当たり 1,700 m3 が最低基準とされており、これを下回る場合は「水ストレス下にある」状態と言う。日本に当てはめると資源量はひとり3,300立方メートル。中国は2000立方メートル、インドは1400立方メートル。人口が増えるほど水需要は増えるから、インドがこの問題に無頓着であることは自殺的政策といえる。

 


参考:水道水をそのまま飲めるのは世界で12カ国しかない。
https://www.kepco.co.jp/corporate/report/yous/5/data-box/article1.html
アイスランド ●アイルランド  ●ノルウエイ  ●スエーデン  
フィンランド ●デンマーク   ●オーストリア ●オランダ
セルビア   ●モンテネグロ  ●ニュージーランド  ●日本
・・なのに、高価なボトルウオーターを買う日本人の愚かさよ。


参考:なんという皮肉・・水のないリビアで大洪水
 水資源ランクで世界182カ国中、173位のリビアで大洪水が起き、多数の死者を出した。大雨によるダムの決壊が起き、一気に町を襲った。これも世界中で起きている「異常気象」の一例。砂漠の町で溺死という理不尽な死を強いられた。(完)