水について考えたこと・・ボトルウオーター<1>

潤沢にありすぎて関心を失っている「水」について書いてみたい。
 考えてみれば自分は今までボトルウオーター(ミネラルウオーター)という商品を飲んだことがなかった。今回はじめて近所のドラッグストアで買って飲んでみた。1㍑50円ナリ(税込み)商品名は<サントリー天然水 奥大山>飲んでみれば、案の定、淀川産水道水に比べて格別に美味しいとは思わない。少し炭酸を感じる点はヨシとするけど、1㍑50円で買う価値はない。


 しかし、ボトルウオーターはすっかり定着して、常用している、時々買う、という人が6割だという。なぜこんなに普及したのか。何十年か昔、まだ水道水は塩素の臭いがするとか、評判が悪かった時代に関西の会社が「六甲のおいしい水」という名でミネラルウオーターを売り出し、これが人気商品になった。お金を出せば美味しい水が手軽に飲めることを体験して常用客が増えたらしい。一方、水道水も高度濾過とか、改良が加えられて「まずい」の悪評は大巾に減った。(注)水道水の品質は自治体によってばらつきがある。


さて、この文で何を言いたいのか。ボトルウオーターの値段の高さと環境負荷の問題であります。ボトル水は1㍑50円(税別)だけど、水道水ならいくらか、今回はじめて計算した。ひとり暮らしで月間使用量は7月で10立方メートル。請求額は1045円(税込み)1立方メートル100円になる。1㍑なら0,1円。今ごろビックリするのもナンですが、どひゃ~~、ボトルウオーターの値段は水道水の500倍だ。(買ったボトル水は店で最安の商品で、標準は2㍑入り150円くらいの価格が多い)


もし、バスタブ(200㍑)にボトル水を使えば1万円!。アラブの王様でなければこんな贅沢はできない。これは非現実的な例だけど、飲用として一日1㍑の消費なら月間で1500円。これでも自分にとっては贅沢な消費だけど、はじめに書いたように6割の人はボトル水の消費者なので贅沢感や負担感はないのだろう。


水のクオリティは感覚としての「美味しさ」も大事だけど、安全性も大事である。水道水は自治体の大小に関係なく、検査が義務づけられているが、その検査項目はボトル水のほうが少なく、また、データはメーカー作成するだけで公的なチェックはない。これに便乗して水道水をそのままボトル詰めして「天然水」として売ってるメーカーもあったらしい。また、ミネラル成分を薬剤で添加して「ミネラルウオーター」で売る会社もある。即ち、品質においてはナンの保証もない。消費者が自ら検査できなければインチキがまかり通る。


高品質の水道水を提供されてる東京都民や大阪市民がそれでもボトル水のほうが「美味しい」と言う場合、科学的知見とは関係がない「信仰」に近い判断もあり得る。あるいは「自分は水道水を飲むほど落ちぶれた生活者ではない」という自負があるかもしれない。(つづく)