興味尽きない、ミステリーとしての「日本古代史」

 明けましておめでとうございます。本年も時代遅れの読書感想文を主にあれこれの蘊蓄を投稿したいと思いますので、よろしくお願いします。

 

 ブログにはほとんど書かなかったけれど、昨年読んだ本でいちばん惹かれたのは古代史に関する本だった。十数年前にまとめて読んだ聖徳太子に関する本がきっかけで、なんやかんやつまみ食いふうに古代史本を読んで自分がいかに歴史に無知だったか認識した次第。むろん、素人向けの一般書ばかりだから、なかには少々怪しい情報もあるけど読むぶんには楽しい。


聖徳太子に関する本で一番刺激が強かったのは、小林惠子著「聖徳太子の正体」という本。驚くべきことに聖徳太子は外国人だったと唱えている。ちゃらけたSNS情報みたいではありませんか。しかし、読んでみると外国人説を裏付けるためにすごく広範、詳細な情報を駆使しており、読み終わったときは5割方「ほんまかも」と納得した気分だった。但し、著者は「まだまだ研究が足りない」と率直に述べている。


太子は外国人って・・何国人? 著者の説ではモンゴル人であります。そんなの、やっぱり信じられへん、と思うのが常識です。ま、その常識が正しいとして、自分がもっと歴史オンチの時分から聖徳太子に抱いていた小さい疑問がありました。なんで聖徳太子だけが馬を駆って仕事をしたのか、です。当時の皇族で移動に馬を使う人なんて・・。 この疑問が太子モンゴル人説で一挙に解決?、まことに単細胞的発想でありますが、取りあえず斬新で面白い説です。


いろんな本をかじり読みして興味をもったテーマは・・・
・「神武東征」は単なる作り話か、一部は事実だったのか。
・国づくり神話におけるアマテラスと大国命命(出雲)のかけひき。
卑弥呼とは何者だったのか。
天皇家の祖先とユダヤ人(ユダヤ文化)との関わりの有無。


歴史好きな人ならみんな興味のある、なのに明快な「答え」がないテーマです。なかでも4番目の「天皇家ユダヤ人」は大昔の話ではなく、現代の皇室にも関わるテーマでとても興味深いが、根掘り葉掘り事実を追求するより謎のままにしておいたほうがよいかも、とも思います。


私たちはなにげに「ユダヤ」というけれど、ユダヤについていかほどの知見があるのか、といえば、まあ、な~んにも知らない。ユダヤ教という言葉は知っていても、説明せよと言われたら何も語れない。これが dameo の知識レベルですがべつに生活には不自由はないから学習しない。


知識のカタマリみたいな佐藤優の本を開くと、ユダヤ教を学ぶにはまず旧約聖書を読みなさい。次に新約聖書を読みなさい、と言う。あまりに正しい助言で読む気にならない。(佐藤氏はキリスト教の信者) まあ、ユダヤ教からみれば現在のキリスト教は「新興宗教」のような感じ、あるいは、本家と分家のように思えるけど、それも単細胞発想かもしれない。

 

ま、玄関払いでありますが、そんなレベルの古代史ミステリーファンを救ってくれるのが例えば井沢元彦の「逆説の日本史」です。とてもわかりやすい。もちろん、分かりやすいイコール中身が薄いということではありません。学者ではなく、作家という立場で意見を発表できるのが強みで、まだ60歳代?だから今後の作品も楽しみです。ただ、井沢氏は古代史に関して今まで「ユダヤ文化」にはノータッチだった。井沢流発想で新しい見解の発表を期待します。


今年読んだ本の一部

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