高橋洋一・田村秀男「日経新聞と財務省はアホだらけ」を読む

 ひえ~~、えげつない題名の本であります。芸能ネタの本ならともかく、経済政策を論じるインテリがこんなエグイ本を書いていいのだろうか。アホだらけと断じられた日経と財務省のエライ人たち、くそ、このがきゃーと憤懣やるかたない思いでありませう。


本編に入る前の「まえがき」で前日銀総裁白川方明氏をコテンパン。財政、金融のイロハが分かってない無能総裁と忖度ナシに書いてます。たまりませんなあ。されど、白川氏が名誉毀損とかで訴えたという話もきかない。もしや無能を認めたのか。


ま、dameo の乏しい知識で判断するなら白川前総裁無能説は納得できます。この人は一貫してデフレ支持、インフレ政策反対の姿勢を維持した。現在、これが間違いだったことは常識になっている。日銀の総裁が日本経済の足を引っ張ってどうする。


雇用を守り、経済成長をするためにはゆるやかなインフレ政策がベター、そのインフレ率は2%が望ましいというのが昨今の常識であります。但し、国民のなかには、インフレよりデフレのほうが望ましいと単純に考えてる人が多い。所得が下がっても物価も下がればつじつまがあうと思っている。自分の暮らしだけ見て、社会全体を見渡す目がないとこうなります。


そんな、総裁以下、アホだらけの日銀や財務省の政策にベタベタなのが日経新聞である、と本書は言う。あの、dameo が言ってるのではありませんからね。日経新聞はビジネスマンの必読紙みたいに言われた時代もあったけど、それは昔のこと。いま、日経の思想、情報に全幅の信頼を寄せている人がいたら相当な世間知らずでせう。


「国の借金1000兆円」をいまだに言いふらしてるのが日経です。このワンフレーズをもって日経アホだらけ説は納得させられてしまう。そして、30年来変わらないのが財務省(大蔵省)、日銀のポチ役、馬鹿の一つ覚えみたいなグローバリゼーション推し、親中思想、大企業寄り、の姿勢に変化なしです。著者の田村氏は日経の社員だったが、この日経の思想に愛想を尽かして退社、産経に移った。退職、再就職にはかなりゴタゴタがあったらしい。今は日経の敵みたいな姿勢で記事を書いている。


本書の終わりのほうでは日経記者の不勉強ぶりをビシバシ責めているけど、こんな文章読んだら日経に就職したい人いなくなってしまいそうです。高橋、田村両氏の日経アホだらけ説はわかったけど、政治家は日経とどんなふうに付き合ってるのか、それも知りたくなります。(平成30年産経新聞出版発行)

 

f:id:kaidou1200:20210718170838j:plain