大石あき子「維新ぎらい」を読む

 橋下徹が大嫌い、というdameo の心情をくすぐる、こんな本が出ています。著者、大石あき子氏は大阪市出身の衆議院議員で所属は「れいわ新撰組」。超マイナー政党の議員が只今躍進中の「維新の会」と黒幕の橋下徹をボロクソに批判している。そのパワーはなんだか象にたかるハエの如しでありますが、初版6月14日発行、第3刷、6月30日発行と、意外に好評です。1~2万冊売れたら敢闘賞モノでせう。願わくば、大阪府民、市民に読んでほしい。


大石センセの維新嫌いの原点は大阪府庁勤務の職員として橋下知事の下で働いたことです。あろうことか、知事就任セレモニーの場でヒラの身で橋下の発言に噛みついた。300人の若手職員が集合した会場は凍り付いた。ハナから公務員は見下げるに値する人間とタカをくくっていた橋下知事は想定外の反撃に頭に血が上ったらしい。もちろん、反省などするはずもなく、意図的に敵をつくって徹底的に叩きのめす、という橋下流人事に邁進する。


2010年、大石センセの上司が橋下プレッシャーに負けて?自殺する。府庁職員の自殺者は2001~2009年は年に1~2名だったが、2010年は7名に増えた。詳細は分からないが人事的圧力と過労が原因とされる。
 かように橋下知事時代になって大阪府庁は世にも陰険な職場になってしまったが、知事当人はメディアへの露出を増やし、型破りの知事(後に市長も)として人気を博したことはご存じの通り。


翻ってdameo が橋下嫌いになったのは、かの「大阪都構想」の企画時点からです。自分とてガチガチの保守人間ではないから計画が発表されたときは府政の革新に期待したものですが、内容が具体化するほどに怪しさが増し、当人が各区役所などで説明会を催すに至って期待は消え、不信感だけ募ることに。
 詳しくは書けないが、改革の目玉になった「府と市の二重行政の廃止」だけみても怪しい数字やグラフで説明されても論理的な説得力は皆無で「こんなの詐欺ちゃうか?」と思うようになりました。しかし、橋下センセは話術の達人でもあり、アホな市民は容易に騙されてしまう。


今回(2022・7月)の参議院選挙でも維新の会は議席を増やして前途洋々の感がありますが、京都府での落選のようすをみると、理屈ではない「維新ぎらい」の思想があるように思います。感覚的な拒否感といってもよいかもしれない。
 自分の維新嫌いはこんな本まで書いた大石センセの維新ぎらいに比べたらヤワイものでありますが、国会議員に選ばれた維新の会議員については「無知な国民が選んだB級政治家集団」というイメージです。但し、大阪市民以外の方には維新のマイナス情報が伝わっていないので無知は仕方ないでせう。


今後は維新の会に逆風が吹くことを望みますが、それが叶わないなら、自らの改革として、まず、橋下徹と絶縁することと、所属の国会議員、地方議会議員に「道徳教育」をして、あの丸山穂高のようなゲス人間が再発生しないようタガを締めてほしい。(2022年 講談社発行)


丸山穂高
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%B8%E5%B1%B1%E7%A9%82%E9%AB%98