繁野美和「86歳ブロガーの 毎日がハッピー 毎日が宝物」を読む

 繁野さんは、今どき元気ばあさんのモデルでありませう。60歳でパソコンに出会い、82歳でブログをはじめた。タイトルは「気がつけば82歳」。そして平成29年の現在もブログは続いていて、今月6日に90歳になった!!この元気なら100歳ブロガーも不可能ではない。


 ブログ自身の人気が高くて固定ファンがたくさんいる。そこに幻冬舎が目を付けて出版したのが本書。軽い気持ちで、日記のつもりで綴った文章が本になり、さぞかし嬉しかったと思います。もし、ブログをやってなかったら、普通に年老いて普通にボケ、普通に亡くなっていたかもしれない。仮に生きていたとしても、認知症とか寝たきりでは楽しみも生きがいもない文字通りの「余生」だったりする。


本書=ブログにアップした文章 を読んで繁野さんの元気のモトは奈辺にあるのか考えてみました。

・生まれつき好奇心の強い性格
・趣味が多くて退屈することがない。
・この歳でも同年配の友人がいる。
・別居している家族とほどよい距離感を保つ。
・ドジをしてもくよくよしない。
・できないことはあっさり諦める。
・食事は自分でつくり、買い食いしない。
・薬漬けの生活にならないよう、病院の言うままにならない。

おおむね、こんなことで心身の健康を保っている。べつに変わったところはない、平凡と言えば平凡なライフスタイルです。この項目をみんな反転させればどうか。趣味がない、友だちがいない、くよくよする性分・・ボケるしかない生活です。アルツハイマーではない、廃用型(頭を使わないで起きる)の認知症は自己責任の度合が高いと言えます。(2014年 幻冬舎発行)   ~感想文はここまで~


 繁野さんの前向きな性格とブログという表現手段の相性がよかったのが長続きの大きな理由でせう。送受信のやりとりが煩雑なSNSでは気疲れして続かないと思います。反応はともかく、とりあえず、一人で勝手に綴って発信する。この形式だから気後れせずに続けられるのだと思います。


 ところで、前記の本、感想文書いたのは3年前ですが、発行はもっと前の2014年です。7年経っているけど今はどうか、まだ続いてるのでせうか。おそるおそるブログを訪ねてみました。

 

 ・・・わ、まだ続いています。すごいなあ。しかも、つい先日は94歳の誕生日でみんなにお祝いしてもらったと感謝の言葉が綴られている。冗談でなく、100歳まで続くのではないか。元気老人の鑑として文化功労賞(大げさ)くらい差し上げても良いくらい。70歳そこそこでボケてる人もいるのに何とした違いでありませう。以下は、その5月7日のブログの文章です。


.昨日、5月6日は私の誕生日。昭和2年生まれだから ああ94歳、両親や姉兄に比べて末っ子の私だけがこの歳までって感無量。

この世情になるまでは、5月のGWには遠くの家族も集まって、ついでに私のBDも祝ってもらったと懐かしい。今年はムリとあきらめていたら、思い掛けない嬉しい日になった。

朝、家人が迎えに来てくれて、遠くに住んでる家人の家に連れていてくれて祝ってくれた。彼らが結婚した頃以来の想い出が浮かぶ。

ご馳走をイッパイ戴いて、立派なバースデーケーキも!
夫を懐かしむ思い出話に、16年まえに逝った彼が居たらどんなに喜んだだろうと残念だ。

夕方、また車で送って貰って帰宅したら、会えなかったマゴからもお祝メールが〜 涙が滲むほど嬉しい日でした。

添付写真は、今日行った家人が今の郵便事情を考えて、早めに送ってくれてたバースデイカード、丁度BDに届いてました。

http://thoughts.asablo.jp/blog/2021/05/07/9375122