2013年 <北と南>ミュージアム巡りの旅 (4)

札幌散歩
 北海道庁旧本庁舎三岸好太郎美術館・道立近代美術館

 5月30日、雨が上がるのを待って、9時前に出発。札幌駅から徒歩10分くらいで重厚な赤レンガ作りの北海道庁旧庁舎に着きます。アメリカ風のネオバロックふうデザイン、外観、内装すべてが大ぶりな造りで「まちごうて1,5倍サイズで造ったんちゃうか」と思うくらい。2階へ上がる階段のしんどいこと。これに比べると、大阪の中央公会堂はちんぴら風情といった感じです。


展示物の中で一番脳にシミルのは樺太関係の資料。ふだん、何気に口にする「北方領土」という言葉にはぜんぜんリアリティがないけど、ここで「樺太」に出会うと、そうや、他人事やないんや、という気になります。通常の外交交渉で4島が戻る可能性はゼロ、だからといって奪還のために戦争を仕掛けるわけにもいかない。


 最後の手段は「札束」ちゅうのはどない?。ロシアが衰退し、日本が発展するという最良のシナリオができれば、相手の弱みにつけこんで、どや顔で「どや、ぷーちん、これでどや」と迫るのであります。日本海でのメタンハイドレード開発が現実になれば、一縷の望みが生まれるか。

 

北海道庁旧庁舎

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昭和20年8月16日の樺太新聞 敗戦なのに「休戦」と書いている

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5月末だけど、庁舎の前庭は八重桜が満開

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三岸好太郎は札幌出身の画家。大阪人が佐伯祐三を誇りにするように、札幌ではこの人が郷土の誇り。ほぼ同世代で、ともに30歳~31歳という早世も似ている。うんと長生きして、女性では初の文化功労賞を授与された三岸節子のダンナさん。亡くなる数年前から画風がころころ変わり、いったいどこへ向かうのか、本人も分からなかった? その軌跡の一端が展示作品で読み取れます。なお、当美術館は65歳以上が無料でした。

 

三岸好太郎美術館 館内カフェから庭園を見る

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同じ敷地に知事公舎がある。写生を楽しむ人たち

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猫(昭和6年

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乳首(昭和7年

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さらに西へ数分歩くと、道立近代美術館に着きます。ただいま、企画展では「いわさきちひろ展」を開催中で、たいへんな人気です。これは敬遠して、新コレクションの「岩橋英遠展」を鑑賞。この人も北海道出身の日本画家です。軸物も描くけど、洋画感覚の作品も手がける。功成り名遂げて文化勲章受章。・・と、こんなこと書いても、読むほうは全然面白くないですね。 当館もロージンは無料でした。受付のおねえさんが観音様に見えた。二館合わせて1300円節約できました。シアワセ~。

 

岩橋英遠「氷結する湖」(昭和63年)

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片岡球子の作品を期待したのですが、運悪く一点も展示されてませんでした。