<2015年> 長崎ぶらぶら 2泊3日の旅 ~その4・完~

「出島」はまだ復元工事中
 明治維新まで日本の公式玄関口だった長崎の港の一画に、外国人専用のビジネスゾーンをこしらえたのが「出島」と呼ばれる一画。名前のように、海に突き出した島のような土地、と思ったら大間違い。昔は文字通り「島」でしたが、都市の発展とともに周辺はすっかり埋め立てられて、現在はビル街の一画になっています。

 それでも、歴史遺産の保存、復元を目指して延々と工事中で、計画では2016年度に昔の建物がほぼ復元されるとのこと。すでに完成した建物は有料で公開され、文化財の展示も楽しめます。


出島の風景と室内展示
出島



出島 


出島 


出島 


出島 


長崎歴史文化博物館
 美術館もそうだけど、地方都市のミュージアムという先入観で訪ねるとガツンと一発くらいます。ここも、規模や中身のグレードでは第一級の施設。いったい、なんぼかかりましてん?と尋ねたくなる立派な博物館です。頂いた資料によると、敷地14,400㎡、延べ床面積13,300㎡。設計は黒川紀章設計事務所、事業費80億円とあります。敷地は、昔の長崎奉行所の跡地を使い、立派な奉行所の建物も丁寧に復元してあります。


博物館正面
文化 

長崎奉行の玄関を復元
文化 


歴史展示の一部
文化博物館 


ジオラマで示す、出島での交流風景。床はタタミだが、オランダ人は靴を履いている。
文化 


復元された奉行所内部 廊下は一間半の巾がある。
文化 


館内のレストランでちゃんぽんを食べようと思ったが、メニューになかったので「トルコライス」を注文。こんなものが何で長崎名物なのか、ワカラン。
文化 


原爆資料館平和公園
 文化博物館で時間を食ってしまい、こちらは駆け足見学になってしまいました。平日のせいか、見学客の半分くらいは外国人。展示室は広島の原爆資料館ほど暗くなく、深刻なイメージはあまりない。資料の質量の違いもあって、見学者に与えるインパクトでは広島のほうが上です。


資料館の展示
原爆資料館 


原爆



原爆

 

原爆投下2ヶ月後の爆心地風景。すでに貨物列車が走っている。
原爆 


上の写真の現在の風景。遠方の山のサイズを見ながら、ほぼ同じアングルで撮影。
原爆 


爆心地を示すタワー。
原爆 


爆心地から300mほどのところに平和公園がある。
原爆


「さるく」と路面電車で観光を堪能できる 
 何年か前「長崎さるく博」というイベントがあって、ウオーキング主体の観光が盛んになるきっかけになりました。路面電車ウオーキングだけで、市内名所の大半を訪ねることができ、名所の中身も濃い。九州7県では一番個性豊かで魅力的な観光都市と言えるのではないでせうか。


思案橋界隈は、大阪の新世界と同じくらいのコテコテ風景。
思案橋



法善寺横丁より狭い路地がある。
思案橋 


足弱老人には住みにくい街?
 時間があれば、映画「ペコロスの母」に出て来る、山手の坂道だらけの住宅街を歩いてみたかったのですが、叶いませんでした。しかし、下から眺めても、坂だらけ、階段だらけの街の暮らしのしんどさが想像できます。この町で「バリアフリー」なんて言葉を使うのはイヤミでしかないのでは、と思ったものです。


ちょっと戸惑ったのは、路面電車に乗るときの道路横断です。車の通行量が多いのに、電車の停留所の前後に信号のないところがたくさんあります。車の通り過ぎるのを待っていたら渡れないので、皆さん、手もあげずに、阿吽の呼吸で?ささっと渡りますが、ヨソモンの駄目男はうまくタイミングがつかめずにモタモタしました。停留所に電車が着いているときは焦ります。しかし、停留所ごとに全部横断信号をつけると車の渋滞は必至なので対処はなかなか難しい。


バーのマスター、三浦雄一郎さんの話によると、昔は、お金持ちは丘の上に住み、庶民は下町に住んだ。丘の上の邸宅がステータスだった。しかし、次第に逆転が起き、現在は庶民が土地代の安い山手に住み、金持ちは平地に住むと。山手に住んで、マイカー通勤で駅前とか交通便利なところで駐車場を借りると、月3万円も要る。大阪の市街地よりずっと高い。なので、平地の住宅、マンション需要が増え、当然、価格が上がる。山手は売れないで下がる、ということらしい。陽当たり、眺望は抜群なれど・・山手暮らしも結構、厳しいようです。


長崎駅前のビル街のすぐ後ろも坂道住宅街
坂だらけ 


文化博物館の裏手もこんな感じの町並み
坂だらけ 


長崎駅前から路面電車に乗るときは、こんな長い階段を上下しなければならない。
坂だらけ 

長崎駅を午後4時前に出発。9時過ぎに帰宅。三日間とも晴天に恵まれ、楽しい「長崎さるく」が出来ました。北と南、ミュージアム巡りの旅、これで終了です。(完) (さるく=当地の方言で、ぶらぶら歩くこと)