今年は山陽新幹線が開業して40周年。これを記念して、JR西は特定の期間、区間に限り、開業当時の運賃で記念乗車券を発売しました。ほぼ6割引きの値段で、ジパング割引きの3割引きより大幅に安い。
で、貧乏性がムクムク起きて、長崎までの往復きっぷを買いました。新大阪~博多~長崎、通常価格18610円が7710円。往復では37220円が15420円。差額21800円でホテル二泊分とメシ代が浮きます。(40年間に運賃は2,4倍になっていました)
◆3月10日(火)***********************
新大阪から「のぞみ」と「かもめ」を乗り継いで午後2時前に長崎駅着。今回もミュージアム巡りがメインなので、まず、長崎県美術館へ。観光地図を見ながら徒歩20分くらいで着きました。海縁の公園に建つおしゃれな美術館で、設計は隈研吾建築都市設計事務所と日本設計の共同設計。隈研吾氏は、銀座の歌舞伎座を設計した売れっ子建築家です。(国立競技場の設計も担当)
企画展はパスして、小企画展「トミタリア」を拝見。プロダクトデザイナー、富田一彦の作品展です。主にイタリアで活動していますが、手がけるデザインのジャンルが無茶広くて感心します。食器から家具、工芸品、テキスタイルまで物凄い点数です。撮影禁止なので、写真で紹介できないのが残念。カフェで、コーヒーカップに富田氏デザインのものを使っているのが、せめてものサービスです。
次に、やはり海岸通りにある「旧香港上海銀行長崎支店記念館」へ。国の重要文化財で、一階の銀行オフイスは標準的な設計ですが、二階の小部屋で展示されてる「モールス信号機」や海底ケーブルの精緻な作りに当時のハイテクの粋を見ることができます。
寒風のなか、海岸通りから坂道を上がると急に観光客が増えて、まもなく大浦天主堂に着きます。こことグラバー邸は長崎観光の定番。回遊コースは坂道、階段だらけで年寄りにはいささかきつい。なので、要所にエスカレータと動く歩道が設けてあります。大いに助かりますが、やりすぎや、と文句言う人もいるでせう。日頃、運動不足なので、今日は乗物に乗らず、徒歩だけで行動、日暮れに繁華街にあるビジネスホテルに着きました。
博多~長崎間を2時間で結ぶ「かもめ」 新幹線開業予定は2022年だそう。
大阪・天保山の「サンタマリア」と同じような港内遊覧船があります。
長崎県美術館。近年のローカル美術館の充実ぶりに驚きます。
唯一、撮影がユルされてる富田作品。
館内のカフェで、トミタデザインの食器が使われていた。コーヒーカップには取っ手がない。
旧香港上海銀行長崎支店 威風堂々の外観
一階のフロア
モールス信号を送信するためのモーター
大浦天主堂へ向かう坂道 土産物店が並ぶ
大浦天主堂 拝観は有料で内部は撮影禁止
天主堂からグラバー邸への裏道。絵になるシーンです。
グラバー庭園のエスカレータ。工事にはずいぶん苦労したと思われます。
グラバー庭園内のショット
ボロボロになっている旧英国領事館の建物。ようやく修復工事がはじまった。
鯨料理で一献
さて、晩メシはどこで・・と、地図を手に飲み屋街へ。一人旅の楽しみはコレですね。ホテルの裏が中華街ですが、ここはパスして観光通りの方へ行き、「五人百姓」という、ほどほどにくたびれた感じの居酒屋に入ります。メニューを見ると鯨があるので早速、注文。写真の盛り合わせと、別に「皮くじら(コロ)」を煮物にしてもらい、地酒、諫早の「杵の川」、焼酎「五島麦」(五島列島)で賞味しました。鯨のメニューだけで2500円くらい、というのはいささか高いけど、しゃーないか。ベーコンなんて、子供時分は飽きるほど食べさせられたのに、今じゃ貴重品です。もしや、人生最後の鯨ベーコンになるやも知れませぬ。
諫早の酒「杵の川」(きのかわ)
つづく・・・