ヴェルレーヌと定家の「秋の歌」

今週のお題「秋の歌」に参加します


秋の詩といえば、これしかない。

昭和30年ごろにはじめて出会った舶来の詩が
ヴェルレーヌのこの作品。
一目惚れしました。


落葉


秋の日の
ヴィオロン
ためいきの
身にしみて
ひたぶるに
うら悲し。


鐘のおとに
胸ふたぎ
色かへて
涙ぐむ
過ぎし日の
おもひでや。


げにわれは
うらぶれて
ここかしこ
さだめなく
とび散らふ
落葉かな。


ヴィオロンが奏でる音楽はヴィヴァルディ作品と勝手に想像して、
以来、ヴィヴァルディのファンにもなった。
何より、訳した上田敏のセンスの良さに惚れ込みました。
この詩の情感を味わえるブロガーは少ないのが残念。


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和製作品ではこれが一番好き。


見わたせば 

  花も紅葉もなかりけり

    浦の苫屋の秋の夕暮れ   ~藤原定家~ 

 

 

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