チラ見するつもりでスイッチオンした「ダンス日本一決定戦」番組。チラ見どころか、3時間も見続けてしまった。民放番組を連続3時間も見るなんて年に一度もない珍事であります。たるんだ脳ミソに良い刺激になりました。
大昔、バーンスタインの「ウエストサイドストーリー」を見て群舞のかっこよさに感心し、こんなの日本のダンサーは100年経ってもマネできない、と断じたものですが、間違いでした。テクニックではマネを越えたすごワザです。 のみならず、出演者のほとんどはプロではなく、趣味でやってる。練習がどれだけ辛いか容易に想像できる。個を捨て、チームワークに徹する、だけでもしんどいのに、それが何ヶ月も続くのだから、精神、肉体をいじめ抜くことでは、もうマゾ・サドの世界じゃん、などとよからぬ空想をしてしまいます。おまけに、趣味だから無報酬です。(注)この番組に出演したグループの1位には賞金1000万円が授与された)
審査員の誰かが言ってたけど、このスグレモノ、日本発の新しいエンタメとして海外へ売り込めるのではないかと。ほんと、自分もそう思いました。
で、一位になったのは歌舞伎の黒子を現代風に生かしたパフォーマンスで、そのアイデアの良さに感心しましたが、ダンスの概念から少しはずれているような・・と思ったものです。自分が感動したのは一糸乱れぬ群舞のかっこよさでした。小さいTV画面で見てもコーフンするのだから、ライブで観た人の感動は10倍、100倍だったでせう。(幕張メッセで開催)
この日、出演したのは16組でしたが、予選では約1000組がエントリーしたそう。競争率約60倍。それぞれのチームは指導者、ダンサー以外に音楽や衣装、道具などの裏方を擁し、がんばっている。アイデア、センス、向上心、そして人並みはずれた運動能力が求められる新しいパフォーマンスです。スケボーやスノボーよりずっと見応えあることを考えると、オリンピックの新種目に加えても良いような気がします。「五輪は芸能に非ず、楽しいだけではアカン」と言われるでせうが。(5月18日放送)
優勝した、歌舞伎の黒子を使ったパフォーマンス。