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~レガ爺 dameo の泡沫ライフ~

dameo <リニア中央新幹線不要論> ~その4~

リニアがダメならこれでいく!?

 本書で一番興味を引いた記事は「リニア新幹線開発でコケたら<第二東海道新幹線>をつくればよろし」であります。そんなアホな・・・。しかし、よく読んでみると十分説得力があり、ほんまや、それのほうがよろしいがな、と思わず納得してしまいそうになります。


どういうことか。察するに、JR東海は開発初期から、もしリニアでうまくいかなかったら、旧来の技術である「新幹線」に置き換えようと密かに目論んでいる。つまり、開発コンセプトとしてリニアと在来新幹線という「二足のわらじ」を用意していた。著者はその証拠として以下の用語で説明しています。

1・軌道の問題  2・最小曲線半径  3・建築限界  4車両限界
 これらの問題において、現在進められている工事は新幹線の構造や性能にも適合するような設計になっている。たとえば、車両の断面サイズはリニアのほうが新幹線よりかなり小さいのに、トンネルの断面サイズは大きな新幹線サイズに合わせている。また、軌道の最大勾配はリニアなら60パーミルでも走行できるのに、実際の工事は新幹線が走行できるゆるやかな40パーミルで作られている、などです。


リニアの車両サイズが新幹線車両よりかなり小ぶりに設計しているのは、なんといっても「宙に浮く」必要があるからで、飛行機の設計と同じように、小さく、軽く作らねばならない。ならば小さい車両に合わせてトンネルの断面も小さくて良いのに、新幹線車両に合わせたサイズでつくっています。
 なぜ、このようなムダ?な設計にしたのか。リニアがダメなら新幹線式で、という思惑のせいではないか、と著者はかなり自信ありげに書いている。この話、マスコミなど身近な媒体では報じられていないように思います(不詳)。


こんな「二足のワラジ」ふう思想で開発を進めているのが事実なら、世間でボロクソに批判されても仕方ない。費用や工期においてムダが生じるからです。
これは裏返せばリニア技術の自信のなさによるものと言えます。
 もし・・もし、ですよ。リニア新幹線開発が頓挫、中止になったら、明治の文明開化以来、日本で最大規模の失敗プロジェクトになるかも、と思います。
すでに何兆円もの巨額費用を注ぎ込んだあげくの頓挫。その時点で考えたら,開発がJR東海主体であることは国民の怒りやストレスの値を小さくする点で良かったかもしれない。(実際は国による投融資もおこなわれている)


リニア中央新幹線に関する本をはじめて読んで,素人ながらたくさんの知識を得ることができました。そして、個人としてはやはり開発・開業反対の考えは変わりません。国民の無関心が気になりますが、開発状況を積極的に公開しない業者、団体の姿勢も問題です。静岡県の知事が開発工事に関して業者にイチャモンをつける醜聞?も不信感を募らせています。自分の偏見かもしれないが、この大プロジェクトには、期待、楽しみ、といった明るい感情がぜんぜん湧かない。だからといって、ひっそりと店じまいというわけにもいかない。
 願わくば、事業に真摯に取り組んでる人たちが、変身したグレゴール・ザムザのように「巨大な厄介者」扱いをされませんように。(2020年草思社発行)