史上サイテーの記者会見

  ・・という言葉がトレンドになりそうなビッグモーター社長の辞任記者会見。大企業の経営者、一社会人としての資質の低さが丸出しになった珍しいケースであります。しかし、どうやらご本人はそれをぜんぜん自覚していないことがさらに評価を下げてしまった。自分の想像するところ、社長自身が会見のビデオを視聴しても己の頓珍漢ぶりに赤面するなんてないでせう。自分は正しい、社員と世間がアホやねん、であります。


社長が交代しても前途は多難。株主である前社長がヒモを操って実質支配するにちがいない。もし、自分が社員だったら、と想像すると、まず、お客さんに挨拶するときBIGMOTORの名刺を出すのが恥ずかしい。もてる劣等感、罪悪感がどどどと噴出して手が震えそうだ。これだけで退職願い書く動機になります。びびらずに名刺を出す社員がいたら、鈍感ぶりは社長並でせう。
 あれこれ改善計画をつくって出直しするより、ご破算にして前社長の持ち株を生かさないようにするほうが社員も納得しやすいと思います。


これと真逆の例を思い出した。あの山一証券破綻の大事件です。あれこれ粉飾のアイデアも出したが、にっちもさっちもいかなくなってとうとうパンク。たしか1997年?だったか。たった三ヶ月前に社長になったばかりの野澤社長は記者会見の冒頭「社員は悪くありません。悪いのは経営者です」というなりオイオイ泣き出した。たちまち顔面くしゃくしゃの号泣。大企業の社長が記者会見の場で大泣き・・あまりに印象強烈だったので未だに覚えてます。


「社員が悪い。経営陣は知らなかった」と堂々と述べたBIGの社長さんと真逆の態度でした。もし、元山一証券社員だった人が今回の仰天記者会見を見ていたらどんな感慨を抱いたでせうか。少なくともBIGMOTORで車の修理をしたり、保険に加入することはないでせう。 この事案には尾ひれがついて損保ジャパンもワルに加担したのではと疑われている。消費者は両社のカモにされてた可能性大であります。


<追記>元山一証券の野澤社長はその後どうなったのか。業界のあちこちからのヒキで証券の仕事を続けているらしいです。生き馬の目を抜く業界とはいえ、基本、誠実な人柄を世間は認めているのでせう。