今回はミネラルウオーターではなく、水道水の話題です。
◆ダイキンによる攝津市の地下水汚染
大阪では空調機トップメーカー「ダイキン」による大規模な水質汚染が問題になっています。ダイキンはPFAOという汚染物質自体を自ら製造した経緯があります。(既に生産中止)一方、攝津市や住民にとってダイキンは雇用や納税で大いに貢献している大企業です。
攝津市のホームページから
攝津市民の問い・・PFOS・PFOAが含まれているのに水道水を飲用して大丈夫ですか?
摂津市役所の答え・・飲用していただいて大丈夫です・・以下略。
このような「攝津市の水道水は安全」という情報を3年くらい継続して発している。ところが・・・今年7月5日の市のHPでは「有機フッ素化合物(PFOA、PFOSなど)について。環境省が実施した全国的なPFOA及びPFOSの存在状況把握調査の結果、摂津市内の井戸より、PFOA及びPFOSの合算値が令和2年に国が示した暫定的な目標値(50)を超える濃度で検出されました・・と。
https://www.city.settsu.osaka.jp/soshiki/seikatukannkyou/kannkyouseisakuka/23118.html
8月22日現在、攝津市役所のHPでは「水道水は飲用していただいて大丈夫です」と「環境省の調査で基準を超える汚染物質が見つかりました」という二つの情報が掲載されている。過去3年間くらいは市民の問い合わせに「水道水は安全です」と繰り返してきたのに環境省の調査であっさり逆転、基準以上の汚染が発覚した。市は環境省が調査した箇所の水は水道の原水ではない。だから水道水は安全と言うが、それで市民は安心するだろうか。
上記の「環境省調査」ではどんなデータが出たのだろうか。市役所は数値を示していないので情報を探したところ、NHKの全国調査報道に数値が出ていました。目が点になるびっくり数値です。
NHKの画像から
21000! ダントツ日本一の数字です。基準値<50>の420倍! 河川水でも40倍!こんなオソロシイ数字、市役所のHPで「お知らせ」できるわけがない。さりながら・・摂津市民の何割くらいが知っているのだろうか。
攝津市役所が「水道水は安全です」と広報する一方で、下記の情報は攝津市の地下水が既に十分汚染されていることを示している。
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ダイキン工場周辺地下水からPFAS 住民血液検査で米国指針超の高濃度検出
https://www.sankei.com/article/20240803-7TIJ6IWCKNP6ZBNA7U2ZHOOSJE/
大手空調メーカー「ダイキン工業」の工場がある大阪府摂津市の地下水から有機フッ素化合物「PFAS」が検出され、京都大と市民団体が住民やダイキンの元従業員ら1190人の血液検査をしたところ、約3割で健康へのリスク増加が懸念される米国指針値を上回る濃度を検出したことが3日、関係者への取材で分かった。元従業員で30倍の値だった人もおり、同様の検査としては国内最多人数という。以下、要約して記載・・暫定集計で値が最も高かったのは兵庫県内の元従業員で1ミリリットル当たり約610ナノグラム(ナノは10億分の1)。学術機関の米国アカデミーが検査を推奨するとしている指針値20ナノグラムの約30倍だった。
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『健都』の看板が泣く
なんという皮肉なことでありませう。攝津市はJRの広大な操車場の再開発を機に新しい街づくりを企画し、そのテーマを「健都」づくりと謳って2016年から開発をはじめました。(HP参照)
https://co-creation.ken-to.jp/citizen/
このプラン、誰がみても魅力的な内容とスケールなので、なかには攝津市へ転居した人もいるでせう。一方、「健都」づくりをはじめた時点でPFAS汚染に気づいていた市民もおられるかもしれません。なんにせよ、攝津市が大看板にした「健都」づくりは難儀な宿題を抱えてしまいました。
(注)攝津市では水源を地元だけに限らず、外部(大阪広域水道企業団)からの導入も実施しています。
今回のPFAS情報で学んだことは「大企業のミネラルウオーターの品質は相当怪しい」ことと、水道水の汚染が進み、対応に悩む自治体が増えていることです。全国の自治体の水質汚染については環境省のデータをもとにNHKも詳しく報道しているので興味ある人はどうぞ・・。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240606/k10014471451000.html
環境省のデータはこちら(PDF)
https://www.env.go.jp/content/000212639.pdf