振り出しに戻る・・心斎橋駅ホームのデザイン

 大阪メトロ御堂筋線心斎橋駅は開業90周年を迎え、ホームのデザインを全面改装しましたが、数年がかりの工事を経てお目見えしたのは開業時の設計とほとんど変わらないものでした。改装計画時のプランはモダン感覚のデザインでしたが「イマイチやなあ」と評判が悪く、一からやり直しのハメに。
 ああだこうだとアイデア練ったものの名案浮かばず「ほな、90年前の開業時のデザインでええんとちゃう?」ということになって写真のような地味で重厚な感じのホームになりました。考えて考えて、振り出しに戻る、であります。


 結果、評判はどうか。今のところブサイクとか古くさいという悪口はないみたいです。老いも若きも納得したのは駅の上にはグッチやヴィトンやシャネルといった高級店が並んでいるうえ、大丸百貨店も文化財価値十分のクラシックな建物であり、これら高級店のイメージとバランスをとるにはモダンよりクラシックのほうがええやろ、と納得したと思われます。アート感覚でいえば、ここではA・ウオーホルは似合わないということです。


昭和8年(1933)開業時のホーム。電車は1両編成だったが、ホーム長さは10両ぶんこしらえた。当時は珍しい エスカレータも設置した。

 

 

今年ようやく工事が終わった改装後のホーム。電車は10両編成。