<大阪くらしの今昔館> 見物 

 数年ぶりに訪れたら展示が一部リニューアルされていました。驚いたのは、もともと地元民のためにつくったローカルな施設なのに入場者の7割くらいが外国人であることです。うち、半分以上が韓国人。開設時はスタッフの外国語能力なんか気にする必要なかったけど、今は英語と韓国語の案内は必須になっています。


なんでこんなに人気があるのか。一番の理由は入館料が300円と安いこと(65歳以上の大阪市民は無料)二番目の理由は昔の住まいのつくりがリアルなことです。オフイスビルの最上階に江戸時代末期の民家を再現、展示しているのですが、映画のセットのようなちゃちな作りではなく、時代考証に基づいて細部まで本物そっくりに作ってある。民家の前の溝のフタ(どぶ板)の材質やカタチまで手抜きせずにつくってある。


 奈良や京都で観光客が訪れる和風商店は「和風」のつくりでしかないけれど、ここの民家は「和」そのものです。和風商店ではあり得ない土間の「三和土」があります。出来れば照明もリアルな提灯やあんどんにしたいところ、安全面で実現できないのが惜しい。・・といったリアルな展示が人気の理由と思われます。昔の町並みのジオラマも一部更新されて、よりリアルな町並みの風景が見られます。


外国人が増えて、ひとつ気になったのは昔の商店の再現は良いとしても、庶民の長屋もリアルにつくってあることで、玄関の三和土の先は三畳か四畳半一部屋のみという狭小さ、要するに、落語に出てくる貧乏長屋そのものがリアルに再現されている。昔の家ではあるけれど、あまりに貧しいたたずまいに外国人観光客はどんな印象を持つだろ・・と、少々気になりました。照明の演出で昼間の風景と夜の風景が見られるのもよいサービスです。


大阪暮らしの今昔館
https://www.osaka-angenet.jp/konjyakukan/


外国人が浴衣を着て荷担ぎ経験。ゆかたも貸してくれる。

 

天神祭りのためにつくった「お迎え舟」(大阪府指定文化財


天神祭りのときに用意する金持ち宅向きご馳走