通勤圏にある<廃村風景>

 カツピチさんのブログ(https://katupiti.hatenablog.com)で紹介される廃村風景を見て東京にもこんな超過疎地区があるのかと驚きました。私も廃村風景に興味があって、昔はハイキングがてら無人の山村を歩いたものです。鉄道の無人駅を訪ねるのと同じ趣向かも知れません。静寂のなかに漂う寂寥感が魅力だと思っています。


最近になって大阪~奈良間の通勤圏にミニ廃村風景があることを知り、ハイキングを兼ねて訪ねてみました。場所はJR大和路線河内堅上駅三郷駅間の里山です。天王寺駅から約25分、大阪駅からでも50分くらいで行けます。(駅から現地まで徒歩20分)大和川が峡谷風景をつくるところですが、当地は大昔から地すべり災害の発生地でたびたび大規模な被害が生じ、近年、国の施策で地形を変えるような抜本的対策工事が行われました。これによって住民は強制的に退去させられ、無人地区=廃村になりました。


住宅はすべて重機で撤去、更地化されたのでカツピチさんが訪ねたような生活感漂う廃村風景はありませんが、集落跡にぽつんと残された墓地とか、廃村ならではの光景が残っています。過疎や貧しさではなく、自然災害によって生まれた廃村風景が大都市の近くで見られる珍しい例だと思います。

 

Ⅰカ所にまとめられた墓石 

 

近年まで農作業をした跡がある。(畑作は禁止)

 

立派な民家があったと思われる玄関跡が残っている。

 

撤去を免れた神社社務所の内部

 

通称「亀の瀬地すべり地区」と呼ばれている広大な対策地区