小林照子「これはしない、あれはする」を読む

 
どんな生き方をしてきたか。
顔にはすべてが
記録されていくのです。


・・と、dameo が書けば、何をしょーもないこと言うとんねん、で馬鹿にされるだけでありますが、美容界の大御所が書けばなにやら格言めいたネウチのある言葉に思えるのであります。


小林照子ってはじめて知る名前です。ただいま86歳、化粧品メーカー「コーセー」中興の祖?とされる業界の有名美容家だそうです。コーセーの重役を退職後に自ら研究所を立ち上げ、有名女優などのメークを担当して知名度を高めた。そんなサクセスストーリーの当事者がハウツー本を著せば、ついつい自慢話満載になるところ、そこは抑制されて抵抗感の少ない読み物になっています。


抵抗感が少ないのは甘口と辛口の話(言葉)ほどほどにミックスされているからで、基本、リアリストであるけど、夢や希望を語るのも忘れないからでせう。


いろいろな格言?を読んで、この人の言うこと、先日亡くなった瀬戸内寂聴さんの言葉に似ている気がしました。苛烈な人生を送ってきたことは共通しています。大ピンチでも泣き言は言わない。過去に執着しない。世間を敵視しない・・。書けばカンタンですが、凡人にはが難しいことばかり。


たくさんの格言?のなかに、明日ここで紹介する歎異抄で語られる内容と似ているものを見つけました。


私たちは毎日、動物や植物の
命を頂いて、そのお陰で
「命」をつないでいるのです。

 

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何の使命も与えられていない
人間など存在しません。

 

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自分の知識と経験と智恵を
きちんと伝えていく。
それが「先に生まれた者」の
務めなのです。


これって寂聴さんが法話で語ってもおかしくない言葉です。天台宗真宗では教義が異なるけど「歎異抄」の教えと通じるものがあります。厳しい美容ビジネス業界でトップランナーとして走り続けた人の達観だと理解しておきます。
(2018年 サンマーク出版発行)

 

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