佐高 信「竹中平蔵への退場勧告」を読む

 いま、日本の知識人で一番嫌われている人物は誰か。たいていの人はご存じでせう。竹中平蔵氏であります。それにしても、こんなにストレートに個人の悪口を書いた本を出版しても委員会?と気になります。実際にはクレームがついていないということは内容が全部事実なんでせう。(ウソを書いたら名誉毀損などで訴えられます)


学歴といい、業績?といい、エリート中のエリートではと思える竹中氏がなんでこんなに嫌われるのか。答えは、政府の要人としてもビジネス界のトップとしても、「国民の幸福」なんかにはこれぽっちも興味がない。あなたが貧乏なのは自己責任ですよ、と考える、そんな人物だからです。カネと利権の追求だけが生きがいという点では二階俊博ホリエモンも及ばない。さらに、失政や悪事を追及されても全く反省も謝罪もしないのがこの人のスタイルです。


で、 dameo が考えるに、竹中氏は「サイコパス」ではないかと。そう「生まれつき良心が無い」人物です。社会人としてのモラルや教養云々の問題ではない。生まれつきの精神構造ではと思います。この人の生き方やビジネス感覚に共感できる人がいたら、カネだけが生きがい、何事も損得勘定で考える、そういうタイプの人でせう。


本書で繰り返し追求している問題が竹中氏の「住民税の脱税」問題です。竹中氏は学業やビジネスのために何度も米国へ往来するのですが、そのたびに住民票を一時的に米国に移す。なぜかといえば、1月01日に日本に居住していない人は住民税を支払う必要が無いという税法を利用(悪用)して納税をしない。
 こういうワル智恵は普通の人は思いつかないけど、さすが物知りのセンセは抜け目なく、しかし、めんどうな手続きがいるのに節税に励む。「さもしい」という言葉がぴったりです。


サイコパス理解のキーワードは
  ●生まれつき良心がない。
  ●他人に共感できない、の二つです。
中野信子著「サイコパス」によれば、該当者はおよそ100人に一人くらい。残念ながら、治療不可能な精神病質だそうです。最近増えている「常識ではあり得ない」凶悪悲惨な事件に戸惑わないためにも私たちは「サイコパス」の概念を学んでおいたほうが良いと思います。(2020年 旬報社発行)

 

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