◆フェリーで小樽へ
5月27日、なんば20時30分発のバスで舞鶴へ。終点のフェリーターミナルまでの乗客は自分一人だけでした。「いつも、こんなん?」と運転手に尋ねると「まあね」。全然、人気ないじゃん。
<はまなす>乗船は午後11時すぎから。定員約800名の船に乗客は150人くらい(トラックドライバーは別)大半がマイカー客で、徒歩客はざっと数えて40人。がら空きであります。稼ぎは大型トラック輸送でまかない、マイカー族や徒歩客の売り上げは微々たるものでせう。
駄目男の部屋は、上中下のランクで中の下、七畳くらいのツインベッドルーム。一人でつかっても値段は同じだから、トクした感じ。バス・トイレはないけど洗面台付きで、これで十分です。(大浴場あり)
0時30分出航。翌朝、8時前に朝食案内のアナウンスで目が覚める。ただいま佐渡島沖を航行中ですというが、もやがかかって水平線も見えない。陸地から200キロ以上離れているのに池のようなフラットな海面で、これなら燃費いいなあ、安く走れると、つい貧乏性が・・。
新日本海フェリー <あかしあ>と<はまなす>2隻で運行している
朝メシ済んだら、もう、な~んもすることがない。だから、アナウンスで「まもなく、姉妹船の<あかしあ>とすれ違います」と告げたら、みなさん、ぞろぞろデッキに集まってくる。すれ違うときに汽笛を鳴らす。なにしろ、巡航速度が30ノット(時速55キロ)という高速で、すれ違うときの相対速度は時速110キロだから、たちまち船影が見えなくなる。
◆自殺できない設計の新型フェリー
船の高速化に伴い、設計にアイデアが加えられた。乗客の飛び込み自殺を防ぐために「海に落ちない」設計にしてあります。時速55キロの速度で航行中に落ちたら絶対助からない。(エンジン止めてストップするまで3キロくらい進んでしまうので)救助方法より「落ちない工夫」が大事ということです。そういえば、昔の船はデッキの欄干にドーナッツ型の救命浮き輪がくくりつけてあったなあ・・懐かしい。
あらためてマイカー利用の乗客を観察すると、熟年のカップルが一番多い。しかし、75歳以上とおぼしき後期高齢者はほとんどいない。見知らぬ土地で長距離ドライブとなれば、リスクが高くなるからでせう。船内はバリアフリーになっていて、エレベーターや障害者用のトイレもあります。
午後3時ごろ、本日の最終上映がはじまりますとの案内でホールへ行き、映画を見る。ダシモノは「ツレがウツになりまして」。会社のパワハラでウツになった夫と妻の愛情物語。この人、見覚えがあるなと思っていたら、つい先月上映の「舟を編む」に出ていた宮崎あおいでした。しかし、コミカルな描写もあるとはいえ、観光客にこんな深刻なテーマの映画見せなくてもええのに・・って気もしますけど。
映画すんだら、まもなく夕食で、みなさん、な~んもすることないからレストランのオープン前にいそいそやってくる。食事処は三カ所あって、これも上中下の格差つき。上等は予約制で最低3500円の和食か、洋食。中等は一番利用者が多くて、おかずの単品チョイス制。トレーに好きなものを乗せて並び、レジで勘定する。小食の駄目男はサイテーのチョイスで1100円ナリ。
予定より少し早く、20時30分に小樽港着。舞鶴から約1060キロを20時間(平均時速50キロ)。海がべた凪のせいもあったけど、快適な航海でした。
ヒマが十分ある人にはこのフェリー旅をおすすめします。
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B 級客の部屋。ツインを一人で使っても値段は一人分。列車や長距離バスに比べると天国的ラクチンさです。舞鶴~小樽 18500円。
操舵室下のサロン
唯一の開放デッキ。夏はバーベキューも出来るらしい。
ホールで映画を見物。一日3回上映あり。無料。
B級レストランはセルフサービス。ただし、食器の下げはしてくれる。
一番美味しかったのは昼食の「鮭・いくら丼」でした。1280円ナリ
<つづく> 週2回くらい掲載します。