サイコパスを疑う・・二人の少年殺人犯

 7月12日の読書感想文では中野信子著「サイコパス」をとりあげました。
日本ではまだなじみのない概念で、本書はサイコパスとは何?という基本を解説しています。大人の10人中、8~9人は知らないかも、という医学用語です。(サイコパス=精神病質者)


早速ながら、下の二つの新聞記事の当事者(逮捕された容疑者)は一般人の常識からみるとどうにも理解しがたい動機で人を殺してる。いや、さしたる動機なんかなくても人殺しができることにいっそう恐ろしさを覚えます。普通は強い怨恨や劣等感、強欲などが動機で犯行に及ぶところ、この二つの事件ではそれがなくて、カンタンに人を殺してる。

 

少年が犯した二つの殺人事件

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ほとんどの人は犬や猫でも殺すことができない。もっと小さい話、道で拾った財布の一万円をネコババしただけでも、何年も良心の呵責にさいなまれる、というのが普通でせう。満身の憎悪をもって殺せるのはゴキブリくらいではないか。


大げさにいえば、ゴキブリを殺す感覚で人を殺せるのがサイコパスです。そうは言っても、彼らも社会人だから、普通の人、普通のなりで暮らしてる。さらに、すべてが凶悪人ではなく、普通人に近いタイプもある。そもそも当事者自身がサイコパスの自覚がないケースがほとんどだから判別は難しい。


100人に一人がサイコパス
 中野本によると、100人にひとりくらいがサイコパスだそう。付き合いの多い人だったら身に覚えがあるかもしれない。関心あれば本を読んで我が身の周辺の人物を「検索」してみるのも勉強になると思います。無用のトラブルを避けるためのハウツーの一つです。性格や生い立ち、教養といった面だけで判断しにくかったところ、サイコパスの概念を取り入れることで理解しやすくなると思います。


例えば、友人知己の間柄でお金を貸した。しかし、約束の日になっても返済されない・・よくあるトラブルですが、相手がシレッとしてるようなら疑いたくなるでせう。なにしろ「生まれつき良心が欠如している」人だから返済が遅れても悩んだりしないのです。借金でなくても、約束を守らずに周りに迷惑をかける輩って珍しくない。ライトなサイコパスかもしれません。


あの経産省エリート官僚も?
 これは個人的な見解なので間違ってるかも知れない。2ヶ月くらい前、経産省の若手キャリア官僚がコロナ禍で困ってる中小企業を援助するための家賃支援給付金600万円を騙し取った事件がありました。


この犯人、桜井某、新井某、の二人がもしやサイコパスではないか、と言うのがdameo の想像です。疑ったのは彼らの詐欺の動機と犯行のずさんさです。彼らは生活が苦しくて犯行に及んだのではない。タワマンの家賃やブランド品の購入支払いのために詐欺を計画した。計画、実行はスムースに運んだが「バレる」ことが念頭になかった。このアホさ(思慮の浅さ)はサイコパスならではのものでせう。


目的遂行のために一直線・・です。一流大学出て、難しい公務員試験受けて、世間がうらやむエリート官僚のイスを得た。数百万円の詐欺金額は彼らの1~2年分の給料でせう。その金が欲しさに犯罪者になった。どう考えてもつじつまが合わない。バレて逮捕、ムショ入り。人生パー・・の想像ができなかった。この度はずれた愚かさは一般人には理解できない。<生まれつき良心が欠如している>人間でなければなしえない犯罪です。


サイコパスには「遺伝する」という難儀なファクトがある。もし、彼らの両親が息子の出世のために貧しい生活を切り詰めて・・というライフスタイルなら、また、事件後に息子の不始末をお詫びしまくり、という人柄なら遺伝は考えにくい。そういう人であることを願っています。