今日もニコニコ乱読味読

~レガ爺 dameo の泡沫ライフ~

読書感想文

中島敦「李陵・山月記」を読む

何十年ぶりかで再読。若い人にはほぼ無視されてる作家ですが、短編ながら中身の濃さでは凡百の作家、足下にも及ばずであります。重厚長大でなく、重厚短小で印象深い作品です。「山月記」はながらく教科書にも使われたそうだから「そう、人が虎になってしま…

半藤一利「幕末史」を読む

著者が東京の某所の生涯学習講座みたいな講座でしゃべったことをまとめた本。話し言葉で書かれているので親しみやすいが、内容がラフというものではない。膨大な資料を渉猟して得たマジメな情報を500頁とヴォリュームたっぷりの本にまとめました。 歴史マ…

BRUTUS編「すべては、本から。」を読む

めったに立ち寄らない雑紙売り場で目にとまったのがこの本。購入するのはン十年ぶり・・であります。いまどきの若者、中年はどんな本を読んでいるのかという傾向と売れ筋を知りたくて買いました。文字の小さいのが気に入らないがムリしてページを繰る。カッ…

小山和伸「これでも公共放送かNHK!」を読む

受信者から強制的に受信料を徴収して経営しているのに、デタラメな番組をつくって国民を欺いてるのがNHK。その内実を糾弾する本です。・・と書いてもネタが古いし、視聴者のほとんどには「何のこっちゃねん?」な、ウケない話題であります。 NHKのすべ…

石原慎太郎「太陽の季節」と選評を読む

著者の絶筆「死への道程」は文芸春秋四月号に掲載され、3月13日、当ブログで紹介しました。幸いにも同号では石原氏の芥川賞受賞作「太陽の季節」とその選評全文も掲載されたのでトクした気分で読みました。芥川賞作品を読む楽しみの三分の一くらいは「選…

野呂邦暢の作品を読む

■諫早菖蒲日記 ■夕暮れの緑の光 作家にも、地味タイプと派手タイプがあるとすれば、この人はジミ派の代表。作品がトップセラーになったとか、映画化されたといった世俗的話題には上らないまま、1980年、42才で急逝。しかし、そのジミな作品を愛するフ…

きたみりゅうじ「フリーランス はじめてみましたが・・」

人は生涯に何度「退職願い」を書くのだろう。そんなデータはないと思うけど、勝手に想像すれば2~3回ではないだろうか。現在の若者は5回以上が普通になるかもしれない。dameo の場合は4回退職して自営業になったけど、4回目は社長が夜逃げしたので「退…

浦久俊彦 「悪魔と呼ばれたヴァイオリニスト」             ~パガニーニ伝~

読みたいと思っていたパガニーニの伝記にようやく出会った。18~19世紀にヨーロッパで大活躍したニコロ・パガニーニの天才ぶりと波乱に満ちた生涯をコンパクトにまとめた本で、興味津々だからすいすい読めました。 異様な風貌と黒づくめの衣装の印象など…

清水正「つげ義春を読む」を読む

大人になってから漫画本とは縁が切れてしまった。例外的に愛読したのは東海林さだおのサラリーマンものの週刊誌漫画くらい。ところが、1990年ごろにたまたま図書館の漫画コーナーで「つげ義春全集」と出会い、ぞっこん惚れて何十編もの作品をまとめ読み…

糸井重里「すいません、ほぼ日の経営。」を読む

もう五回くらい書いたかも知れないが、一般人の理想の人生とは・ 好きなコトをして・それでメシが食え・しかも世間で喜ばれるという職業人生であります。 そんな理想に近い人生を送っている、と思える人物の一人が糸井重里氏であります。ハタから見るかぎり…

司馬遼太郎「新撰組血風録 芹沢鴨の暗殺」を読む

なんでこの短編を読もうとしたか。コロナ禍のまえにたまたま京都・島原の「角屋」を見学したからであります。入館料1000円という高額ゆえか訪問者は少なくて、駄目男が訪ねたときも客は自分だけ。角屋の御当主?と思われる方が角屋の歴史由来を説明して…

池井戸 潤「果つる底なき」を読む

珍しくミステリーを読みました。いま、作家の稼ぎ頭?池井戸潤氏の24年前の作品で「第44回江戸川乱歩賞」受賞作です。読んでしみじみ感じたのは頭の老化で登場人物の名前や役割を覚えられずに困ったことです。それに400頁を越えるような長編を読むの…

加治将一「舞い降りた天皇」を読む

~初代天皇「X」はどこから来たのか~ 近年読んだ歴史モノでは出色の面白い本だった。小説(ミステリー)仕立てで書いてあって、古代から飛鳥・奈良時代あたりまでの歴史を鳥瞰するような、ワイドで中身も濃い情報が詰まっている。この一作で古代史のおさら…

1959年・絵本に描かれた「宇宙ロケット」

絵本「こどものせかい」の出版社から「宇宙旅行の絵を描いて下さい」と注文された画家はどれくらい困惑したか。もし、自分が画家であれば「まいど、おおきに」と二つ返事で引き受けただろうか。今から64年前、昭和33年のことである。 たった8頁のこの絵…

立花隆「ぼくはこんな本を読んできた」を読む

小説、ノンフィクションを問わず、モノを書くときはモーレツに資料を集める作家とは? 西は司馬遼太郎、東はこの立花隆と佐藤優センセでせう。稼いだ金の大半を資料の収集に費やしてしまう。それでも普通は自宅に本棚をぎっしり並べるというのが普通のところ…

田辺聖子「あかん男」を読む

作・田辺聖子、解説・酒井順子、とあらば読まずにおれない・・本であります。書名からわかるように大阪弁でかかれています。短編七編のうち、dameo お勧めの二編を紹介。1975年の発行ですが古くささを感じさせない。 へらへら ある日、目ざめると隣で寝てい…

平凡社編集「作家の酒」を読む

こんな本を企画すること自体が「酔狂」のなせるワザとしか思えないけど、読むよりは作家諸氏の酔態を楽しむ本です。女性有名作家にも大酒飲みがいると思うのに登場しないのは酔態を読者に知られたくないゆえか。 作品を一作しか読まなくても、このオッサン、…

時実新子・玉岡かおる「モノ書く女への道」を読む

dameo の友人、A子さんが時実新子のお弟子さんだった、という、ささいなご縁で読んだ本。玉岡かおるの作品は「お家さん」を読んだだけです。この育ちや個性のちがいがハッキリしている二人がン十時間?対談して文学論や人生論をぶつけ合った。あるページで…

陳舜臣「唐代伝奇」を読む

千年以上の昔、中国は唐時代に著された物語を十七編集めたもの。その中で日本にも伝わり、現在でも良く知られているのは「沈中記」「郭翰と織女(牽牛と織女)」「杜子春」の三つです。これらのうち二つを紹介します。 「沈中記」=「邯鄲」 「沈中記」は日…

日本一醜い親への手紙 そんな親なら捨てちゃえば?

最近読んだ本の中では深刻度一番。虐待された子どもが親への恨み辛みを綴った手紙百人分を掲載している。書名の後半「そんな親なら捨てちゃえば?」の語は本書を企画した人の言葉(主張)である。加害者である親と義理人情で和解するより「捨てちゃえ」と言…

森岡浩「名字でわかる日本人の履歴書」を読む

NHK「日本人のお名前」の常連ゲスト、森岡センセの著書。この本は、従来のように家系(系譜)をさかのぼる時間軸の研究ではなく、地理的分布を主にした調査の成果なので、地理好きには楽しく読めます。田中さんや佐藤さんといった名前がなぜメジャーなの…

短編名作を読む  武者小路実篤「お目出たき人」 志賀直哉「城の崎にて」「小僧の神様」

古本屋の「よりどり一冊100円」のワゴンで探した本。計2冊、200円の投資にしてはずいぶんトクした感のある名作です。旧人類にとっては、今どきの芥川賞作品なんかより十倍はネウチがあります。以下、名作三編をご紹介。 ■武者小路実篤「お目出たき人」…

石原慎太郎 絶筆「死への道程」を読む

本文を記したのは令和三年十月十九日。その約三ヶ月後に亡くなった。 著述の半年前、千葉の重粒子センターで膵臓癌細胞を焼き尽くしたはずだったが再発していた。そこで担当医師に自分の余命はどれくらいか尋ねたところ「まあ、三ヶ月くらいでしょうかね」と…

岡野雄一「ペコロスの母に会いに行く」を読む  

著者の認知症の母親をネタにした「介護マンガ」。長崎で自費出版した500冊がスタートで、後に西日本新聞社の目にとまり、地域でベストセラーになった。さらに映画化も決定、有名人になりました。 介護マンガと書いたけど、母親は施設入居者なので、家族がつ…

一関開治著「記憶が消えていく」                  ~アルツハイマー病患者が自ら語る~ を読む 

自分はアルツハイマー病なんかにならないと自信をもって言える人は一人もいないはず。なる、ならないは、ほとんど運の良し悪しで決まるといってもいいくらい、予測しがたい。ならば、怖がるだけより、実態を知って予備知識とし、自分自身、また身内や友人が…

遠藤周作「ルーアンの丘」を読む  

ルーアンはフランスの都市の名前。本書の略図で見るとパリの北西、セーヌ川の下流にあたる。著者が戦後初の仏蘭西留学生として訪れ、三ヶ月ほど滞在したところだった。かのジャンヌ・ダルクはここで短い生涯を終えた。 27歳の遠藤センセが書いたのだからロ…

太田尚樹「尾崎秀実とゾルゲ事件」を読む

ロシアがウクライナに攻め込んでプーチンの評価はガタ落ち、ロシア国内でも反戦デモが起きている。この本は今から80年前に起きた日本とソ連間のスパイ活動に関するドキュメントですが、もし、中学、高校の教科書に載っていないのなら60歳以下の人はほと…

内館牧子「毒唇主義」を読む

先月紹介の「すぐ死ぬんだから」に続いて読んだ内舘作品。これは週刊誌や会報などに書いたエッセイ、コラムをまとめたもの。著者、編集者にとって一番楽ちんな本作りかもしれません。そのせいか?表紙裏の著者紹介文で三菱重工を「三菱重厚」と誤植している…

 宮崎市定「隋の煬帝」を読む

著者名を見て、堅苦しい中国史の話なのではと想像したけど、読んでみれば平易な内容だったのでホッ、であります。解説によれば、著者が本書を書いたのは京都大学を定年退官したあとで、教授の肩書きがとれたから気楽に書いたのではということでした。 隋の煬…

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産経新聞関西版の夕刊に「ビブリオエッセイ」なる欄があって読書感想文を募集しています。作文力を試したい方は応募してみませんか。掲載するだけでなく、月に一回「月間賞」の選考があって、書評家の江南亜美子さんとジュンク堂難波店店長、福嶋聡さんが講…