2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

吉本隆明「ひきこもれ」 ~一人の時間をもつということ~

子供から中高年に至るまでのひろい世代に普及してしまった「ひきこもり」。ふつうはこういう人たちに「ひきこもらないで」と訴える本が多いけど、さすが吉本センセは真逆に「ひきこもれ」とハッパをかける。ひきこもり・・一人の時間をもつことの意義や大事…

<大阪くらしの今昔館> 見物 

数年ぶりに訪れたら展示が一部リニューアルされていました。驚いたのは、もともと地元民のためにつくったローカルな施設なのに入場者の7割くらいが外国人であることです。うち、半分以上が韓国人。開設時はスタッフの外国語能力なんか気にする必要なかった…

馳星周「少年と犬」

本猿さんの感想文に触発されて読みました。犬が主人公の物語なんて、もしや小学生?のときに読んだ「フランダースの犬」以来か。ふる~~~~~~~。 雑誌「オール読物」に連載した6編の短編小説をまとめたもので、半分くらいはアホな人間とカシコイ犬の物…

礒井純充  本で人をつなぐ「まちライブラリーのつくりかた」

このブログではときどき「まちライブラリー」と言う言葉が出てきます。市民の発想、企画でつくる民営の図書館で、2011年以後、全国で1000近くの大小の図書館が生まれ、いくつかは既に姿を消しています。この生みの親が著者の礒井(いそい)氏です。 …

岩瀬達哉 「パナソニック人事抗争史」

世に伝わる「経営の神さま」といえば、まずは松下幸之助を想像する。これに文句を言う人はいないけれど、神さま幸之助の次の社長は神さまではなく、さらに次の社長・・となるとレベルダウン著しく、要するにタダのヒトしか現れなかった。初代が神さまに祀り…

古本市で明治時代の教科書を買う

春と秋に四天王寺で催される古本祭り、お目当ては「100円均一」台と「和綴じ本」の台。和綴じ本は従来300円均一だったのに今年は400円に値上げされた。100年前の古本も値上げとは・・・。 で、より慎重に選んで買ったのが明治34年(1901)発行の国語教科書。…

神舘和典・西川清史「うんちの行方」

「今日もニコニコ乱読味読」がうたい文句なので、なんでも読むのであります。こんなキワモノ企画を上記二名の著者はコネなしで新潮社編集部へ売り込みに行った。無礼者めが!と一蹴されるかと思いきゃ「ええん、ちゃう?」で出版決定。なんと言いますか・・…

坂口安吾「狂人遺書」(大活字本)

安吾の作品は「堕落論」など、小品を集めた文庫本一冊を読んだだけなので何十年ぶりの再会です。その前に坂口安吾の名前を知ってる人・・10人に一人くらいですか。著書を読んだことある人・・100人に一人くらいかなあ。 書名「狂人遺書」の狂人とは豊臣…

廓 正子  「まるく まあ~るく 桂枝雀」

一番好きな落語家は誰?と問われたら桂枝雀(故人)と答えます。 その枝雀の40歳過ぎまでの半生記。年譜で自分と同い年であること知った。昭和20年の米軍空襲で街のなか逃げ惑った経験も同じ。(枝雀の住んでいたのは神戸市灘区だった) 子供じぶんから人を…